お子さんに治療を行う際、問診は母親とする事になります。お子さんの健康状態を左右するのはお母さん次第です。お母さんの知識・生活様式が重要である事を医療する側は深く認識しています。それに対し、お母さん方の意識は低く、病気は子供の身体が弱いからぐらいの認識しかありません。もっと希薄になると、子供だから病気する(子供だからしょうがない)の認識です。毎日、口を開けて驚くような事の繰り返しで、子育てに対する意識の低さを嘆いています。
 今の状況を自分なりにいろいろ考えてみます。核家族だから、共働きで忙しいから…。でも、そんな事は言って入られません。子供は毎日育っているのです。このホームページをご覧になっているお母さんは、自分の知識不足を認識し、子育てに一生懸命なお母さんがたでしょう。偏った情報、一側面側からしか見ないものの考え方を改めていただきたいという思いからこのコーナーを開設いたします。地球の将来を担う子供を健全に育てるために苦闘しておられるお母さん方を応援いたします。

■1.逆子を治す時期(逆子にならないためには)

■2.床上げ
■3.おっぱいと便秘
■4. 沐浴の時間
■5.布おむつ対紙おむつ
■6.おんぶ対前だっこ
■7.離乳食と蕁麻疹

1.逆子を治す時期(逆子にならないためには)

 

 逆子は医学的には「骨盤位」といいます。逆子になる原因はいろいろな事が考えられます。日常の生活動作で一番多いのは、お腹を圧迫する姿勢です。お勝手仕事やお風呂場の掃除は特に良くありません。それにもましてよくない原因、それは冷えです。主婦は水周りの仕事が多く冷えを受けやすい環境にありますから要注意です。薄着やクーラーも冷えの原因です。最近はさらしをまかず、腰周りや太ももを保護していない妊婦さんが大変多いように思います。身体が冷えるという事に無頓着な妊婦さんは、冷たい飲み物やアイスクリーム、冷やした果物などの飲食が多く、暑い時期に冷やし中華・ひやむぎ・そうめん・ざるそば・ゼリーなどを常食、氷まで食べているほどです。
 母親教室・安産教室で講習を受けたり、各種専門書をお読みになった方はお分かりだと思いますが、なぜ妊婦が身体を冷やしてはいけないかを経験を交えて申し上げますと、

1.

妊娠中毒になりやすい。

2.

胎児の成長が悪い。

3.
羊水(赤ちゃんのおしっこ)の量が少ないため、赤ん坊が子宮の中でぷかぷか浮く状態にならない。
羊水による無重力状態の環境が損なわれ、赤ん坊が動きにくくなる。胎児の安全性に も問題が生じる。
4.
微弱陣痛になりやすい。
5.
出産に時間がかかりすぎるため (通常、初産で分娩に約12時間要するが、24〜48時間もしくはそれ以上の時間を要する事が多い) 母体の体力が消耗し、母体が危険にさらされやすい。
6.
陣痛促進剤を使用せざるをえなくなる確率が高くなる。
7.
帝王切開しないと出産が困難になる確率が高くなる。
8.
死産の危険性が高くなる。
9.
母乳の出が悪く、人工乳を使わざるをえなくなりやすい。
10.
出産後の体力の回復に時間を要する。
11. 逆子になりやすい。

 以上のような事が主にあげられます。母体を冷やす事は百害あって一利なしです。ここで重要な事は、身体を冷やす事によって生じた不快な症状を取り除くため、薬物療法を選択する事には問題があるということです。胎児への影響を考えると、すべからず鍼灸治療を選択する事をお勧めいたします。妊婦さんの健康管理はお子さんにとって一生の大事となります。
 
さて、逆子に絞ってお話しましょう。冷えは足元から入りやすいのですが、太ももやお尻、お腹が冷えてくると赤ん坊は頭が冷やされすぎるのを嫌って自発的にひっくり返るのではないかと私は考えています。すでに生命力を宿しているわけですから本能でそうするのではないでしょうか。母体を冷やす事をやめないともとには戻らないようです。
 逆子を治すために「逆子体操」がありますが、どうも効果を発揮していないようです。
 助産婦さんは手で回転術を行います。熟練した人は1時間30分ぐらいかけてゆっくり、胎盤剥離を起こさないように行います。
 私も現実に目にした経験がありますが見事なものです。だだし、この技術を要している人は現在ではかなり限られているものと考えられます。学校教育等で熟練者により助産婦や産婦人科医に伝授・継承していってほしいものだと個人的に考えております。
 手技による回転術を除き、逆子の治療に関しては、鍼灸治療が現代の医療の中で最も有効で効果の高い方法であろうと認識しております。鍼灸治療における骨盤位(逆子)の有効性において医学博士の称号が送られた医師もおり、その効果が現代医学界でも認識されております。鍼灸治療をすると子宮が強く収縮し、胎児を通常の正常な位置に自発的に戻す力を生じさせます。お母さん自身の力を応用するだけですのでとても安全です。

 ただし、治療する時期に一定の条件があります最も有効な期間は28週〜32週です。胎児の状況によっては26週からでも可能です。赤ん坊は大きくなりはじめると子宮の中でくるくる回っています。25週以下では治療してもすぐ戻ってしまいます。医師もあまり逆子について問題視しない事と思います。胎盤の剥離も考慮し25週以下では行わないようにするのが通常です。
 さて、それでは鍼灸治療で逆子がどれくらいでよくなると思いますか?データーの採り方にもよりますが、

1回目の治療で

約30% 矯正成功
(約1時間以内)

2回目の治療で

約30% 矯正成功
(1時間後には帰宅してもらうため2度目の来院時に判明する者を含む)

3回目〜5回目の治療で
約30% 矯正成功

 していると個人的には認識しております。逆子体操をして毎日がんばっている人には信じられないぐらい早くて高い確立でしょう♪。28週ぐらいから治療をはじめると1ヶ月くらい余裕がありますから、10中8・9治りますよ。治療は約1日おきに行うのですが、32週と6日目にいらっしゃったかたは時間に余裕がありません。もしこのホームページをお読みになったかたが逆子だったらすぐにもお近くの鍼灸院にご相談して見てください。1分1秒赤ちゃんは大きくなります。時間との勝負ですから。
 胎児の矯正がうまくいかない残りの10%は、期間が限られ治療回数が5回を越えると胎児が大きくなりすぎ自己回転することが困難になるためということが含まれるのですが、それ以外の理由は次の5つが考えられます。

1.

臍帯が長く(1m以上)赤ちゃんの首に巻きついたため。(くるくる回りすぎたため)

2.
臍帯が短すぎるため。(30cm以下)
3. 前置胎盤の人
4. 赤ちゃんがあぐらを書いて正面を向いている。
5.
重篤な病気にかかっている。

 以上の状態は、出産にあたり胎児の状態を確認するためにするレントゲン撮影で判明したり、帝王切開して初めてわかるものであり、触診では困難ですが、鍼灸治療をして一向に胎児の動きに変化がない場合は、上記のことが胎児に生じているようです。冷えが強いお母さんの場合、5回の治療で取り除くことが困難なことも逆子を矯正できない理由の一つと考えておりますが、来院したお母さん方にはそこで諦めないように伝えてあります。

 その理由は、陣痛が始まったときに起こる強い子宮の収縮により、逆子が改善される事があるからです。足の小指にある「至陰」というツボにお灸を40週までし続けると、冷えが解消され子宮が柔軟になりますのでその確率はぐっと高くなります。胎児の姿勢(お尻から出てくると)によっては逆子のまま出産する事も可能です。人事を尽くして天命を待つ。赤ちゃんに一生懸命語りかけ精一杯の事をすれば、赤ん坊がそれに応えてくれるのではないか、と私は思っています。
 先日も33週を過ぎた妊婦さんが治療にいらっしゃいました。運を天に任せた治療でしたが、2回の治療で矯正されました。きっとお母さんの思いが通じたのですよ、と私は答えるようにしています。生命力の持つすばらしさは、医学の範囲をこえる事が常にあります。(「はりってなあに?」のコーナーの産婦人科編参照)


 「気」を強く持つこと。東洋医学の根幹です。一人でも多くの方が東洋医学を正しく認識し、東洋医療のすばらしさを知っていただきたいと願いを込め、このホームページを作成しています。
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2.床上げ
   妊娠・出産という行為は女性にとって肉体的に大変な負荷がかかります。出産後は身体をゆっくり休める必要があります。近年、産婦人科で出産する人が多いので通常分娩で1週間、帝王切開分娩で10日間入院しますからその間は確実に授乳以外は休息を取っている事と思いますが、この期間だけでは足りません。出産後約3週間の休息が必要です。その理由として、出産に伴う出血・胎盤の剥離により失った血液を作る必要性があげられます。血液は主に骨髄で造られます。そのうち、赤血球は主に背骨で造られています。背骨は立っている間は重力の影響のため骨格を支える事に力を注がなければならず、横にならないと血を造る作業をはじめません。出産後は大量の血液を造り出さないといけないため寝ていなければいけないわけです。血液を出産前の状態に回復させるために必要な期間が約3週間です。30歳台ですと約4週間が必要と思われます。体力が回復したら少しずつ軽い家事からはじめるようにします。この時期のことを昔から床上げといいます。

最近は核家族化が進んでいるためか、退院後すぐに家事をしているお母さんが大変多いようです。体力がある22〜3歳までなら、さしたる症状も出ず育児期間を乗り切る事ができますが、身体の弱い方や30歳台の方は要注意です。当院にいらっしゃるお母さんをもとに推測すると、

1.床上げ1週間のお母さんは、約1年以内に生活に支障がある症状が発症しやすい。
2.床上げ2週間未満のお母さんは、約1年半以内に生活に支障がある症状が発症しやすい。
3.床上げ3週間未満のお母さんは、約2年以内に生活に支障がある症状が発症しやすい。

ように感じています。24〜29歳で初産のお母さんは、体力しだいで上記に当てはまらない事がありますが、2人目、3人目の出産後に影響が出て来やすいようです。そんなお母さん方でも、鍼灸治療を受けますと元の体力に回復する事が可能ですからご安心ください。どんな些細な事でもご相談に応じさせていただきたいと考えております。母親から床上げの時期を聞くことのできない方が、このホームページを読んで、育児に必要な体力を回復・維持できます事を祈念いたします。
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3.おっぱいと便秘
 おっぱいは赤ん坊にとって、とても大切な飲み物・食事です。赤ん坊の命はお母さんのおっぱいに委ねられています。初乳を飲むと、赤ん坊には母児免疫が備わり約半年は重い病気にかかりにくくなります。その間に上手に子育てをしなくてはいけません。昭和初期までは、おじいちゃん・おばあちゃんの知識と手を借りて親としての素養を身に付けていったものですが、核家族の多い現代社会においてはそれがかなわず、本が頼りのお母さんたちが少なくありません。赤ん坊側から見た内容に偏重した現代の本から真の知識を得るのは難しいようです。このコーナーはそんなお母さん方のために立ち上げました。

 毎日の診療の中でお母さん方に一番気付いていただきたいと思う事は、身体が冷えたお母さんのおっぱいは冷たい(温かくない)という事です。現代のお母さんには身体を冷やす事にあまり抵抗がないようです。妊娠中も注意してないようなのですが、授乳中も冷たいものばかり飲んだり、アイスクリームや冷やした果物を飲食しているお母さんが本当に多いんです。授乳中は喉が渇くのが原因だと思いますが・・・。冷たいおっぱいを飲んでいる赤ん坊は身体が温まらず、腸の成長にも支障をきたします。便を作る力も、便を押し出す力も十分に発揮する事ができなくなります。その結果が便秘です。赤ん坊の便秘は親の責任との認識に立つと赤ん坊の健康状態が良く見えてくる筈です。冷たいものの飲食のほかに、熱い風呂に長時間はいることや、夜遅い飲食・入浴、薄着、日のあたらない場所での生活・就寝などいろいろな事に注意を払い、身体を冷やす事・疲労させることを避けるようにする事が赤ちゃんの便秘を解消します。(「くらしと養生」のコーナーをご参照ください)

 このことは授乳中の最大の注意事項です。ちなみに、身体を冷やし続けたお母さんは、妊娠中毒になりやすく、陣痛も起きにくくなります。出産までに24〜48時間かかることは珍しくありません。それどころか3日たっても赤ん坊が出てこず、陣痛促進剤を使用したり、帝王切開をしなければ母体に危険が及ぶほど衰弱する事になるのです。産後の肥立ち(体力の回復)も悪く、若い人でも床上げに4週間以上要します。
 また母乳も出にくくなります。赤ん坊を母乳だけで育てる事が困難になり、人工乳の力を借りなければならなくなります。
 赤ちゃんは出産後3時間おきに授乳しますから1日に7〜8回の食事をしています。したがって、一日の便の回数は7〜8回が正常です。1日1回の便の回数で正常だと思ってはいけません。赤ん坊の身体を大人と同じように考えているお母さんが多いのには驚きますが、それはすでに便秘なんです。人工乳を飲ませている赤ちゃんは便の回数が半分に減少します。最初から飲ませていると気付かないと思いますが途中からミルクと混合にすると便の回数が急に減るのが解ると思います。人工乳は、成分上は栄養が満たされていますが、内臓の成長過程においては母乳に劣っているという認識を持つことが大切です。
 ついでに申し上げますと、その結果現れるのが湿疹です。毒素が外に出ないためです。腎臓や大腸の成長が遅い表れです。冷えを解消しないまま薬で症状を抑えていると薬の効力が切れた後湿疹は悪化します。長期化した時はアトピー性皮膚炎と診断され愕然とするわけです。アトピーとは「奇妙な」という意味です。アトピー性皮膚炎と診断されたら西洋医学では病態をはっきり特定できない=治療法が特定できない事を意味します。
 
そんな時こそ東洋医療・特に鍼灸治療を検討してみてください。ステロイドを使用していなければ数回で完治します
 
詳しくは「小児ばり」のコーナーをご参照下さい。
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4. 沐浴の時間
 沐浴とは、湯水で身体を清める事、恩恵を受ける事の意味です。赤ん坊が入浴するときに用いられますが、赤ん坊を神聖な物として捉えているためにこの言葉が使われるのでしょう。
 赤ん坊が空気にすぐ触れた瞬間(生まれた時)から1時間ぐらいが、この世に生を受け大気に順応するための大切な時間帯です。そのとき必要な物が「羊水」です。子宮から出てくるときに身にまとってくるものがこの大気に順応する力を与えてくれます。生きていく力が備わっているかを確認するには肺呼吸が行われているかがポイントです。出産後産声を上げられることがまず第1作業です。次に、1時間以上経過して羊水という無重力の水中から大気という気圧の元、肺で呼吸がうまく行われているかを確認しなければいけません。
 
 
 人としてこの地球上での「命」の確実性を確認したのちに初めて行うのが沐浴です。ここではじめて身を清めるのです。
 最近の病院では忙しいためか、はたまたその事を知らないのか?出産後すぐ沐浴してしまうところが多いようです。お母さんや家族にすぐ対面させたいあまり、血の付いたままだとかわいそうだという営業的配慮もあるのでしょうか?このことは胎児の免疫力を弱める残虐的行為だと個人的に声を大にしたいところです。多くの助産院では出産後にすぐ沐浴していないと思いますが、病院出産が多くなった現代では、はじめてこのことを聞く人も多いことと思います。世の中がそんな流れですからね。本当に今の、世の中の知識レベルの低下、真実を捨て去り経済主体の風潮には、犠牲になる人が多いという範囲を超えています。やがて人類存亡の危機に繋がるのではないでしょうか?…といつも一人で憤慨しているのですが

 話をもとに戻します。ここで日常の臨床の中で感じていることはその沐浴の時間帯です。入院している時は看護婦・助産婦さんが日中手の空いている時間にしてくれていると思うのですが、問題は退院後です。不調と思われる赤ん坊を連れて来院してくるお母さん方にお話をお伺いしていると沐浴の時間帯は様々です。毎日の時間帯が一定してない人も少なくありません。生活のリズムにかけらのない人もかなりいます。その中でも特に問題視しなければいけないのは沐浴する時間が夜遅いということです。
 赤ん坊の沐浴は夕方まで、陽のあるうちに行うのが理想です。赤ん坊は体温調節がうまくできません。風邪を引かせないためにも気温の高い日中に行わなければいけません。入浴後の室温にも気を配る必要があるからです。暖房をして暖かいのとお日様の力で暖かいのとでは生命力を維持する力がまったく違います。古来より「夜気にあたってはいけない」という言葉に集約されています。その事を知らないお母さん方が大人のリズムに合わせ夜遅く沐浴していることが多いようです。
 赤ん坊は12時間以上睡眠をとらないと成長に支障が出ますから、夜7時には寝ていなくてはいけません。本来寝ているはずの時間帯に入浴させていると身体の調子が崩れてくると思いませんか?初乳を飲むと母児免疫がありますから、入浴が遅いぐらいで病名診断されるほど身体の調子が崩れませんが、退院後に夜遅く沐浴している赤ん坊は、
1. 身体が温まらなくなる。(暖かくない)
2. 便秘する。(便の回数が一日7〜8回から3〜4回、1〜2回へと徐々に減少)
3. 湿疹が出やすくなる。
4. 風邪を引きやすくなる。
5. 夜鳴きをする。
6. あまり手足を動かしたり、泣いたりしなくなる。泣き声が弱くなる。
7. 生後半年を過ぎ病気しやすくなる。
という状態に傾いていきます。毎日の問診を総合しますと個人的な見解として、
1. (退院後)夜10時以降沐浴している赤ん坊は、生後半年を経過してから上記の症状を呈しやすくなる。
2. (退院後)夜11時以降沐浴している赤ん坊は、生後5〜6ヶ月頃に上記の症状を呈しやすくなる。
3. (退院後)夜12時以降沐浴している赤ん坊は、生後3〜4ヶ月頃に上記の症状を呈しやすくなる。
4. (退院後)夜1時以降沐浴している赤ん坊は、生後2〜3ヶ月頃に上記の症状を呈しやすくなる。
ように思います。赤ん坊は生命力が旺盛ですので何時に入れても笑いますし、夜中におっぱいを飲んでいるぐらいだからいつ起きていても問題がないのだろうと深夜テレビをつけて赤ん坊を喜ばせている親もいますが、そのことが赤ん坊の成長を妨げ、大人になったとき病気しやすい身体になるという事を是非知っていただきたいと思います。

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5.布おむつ対紙おむつ
 最近、布おむつを干している光景を見かけなくなりました。当院にいらっしゃる赤ちゃんも布おむつの人は殆どいません。何時見たのか思い出すのも難しいぐらいです。働く女性が多いせいか、紙おむつが安くなったせいか、持ち歩くのが省スペースで便利なせいか、現代は紙おむつ真っ盛りです。一番の理由はお洗濯をしなくてもいいということだと思いますが果たしてそれでいいとお思いですか?

 布おむつだとうんちやおしっこのたびに赤ん坊は泣きます。これが肺の成長を促進させます。また泣く事により手足を動かすため血行が良くなります。ハイハイができないころはなおさら泣く事は赤ちゃんの重要な仕事になります。身体は盛んな細胞分裂によりどんどん大きくなりますが、肺が成長しないと血液を通して酸素を全身に送る事が難しくなります。紙おむつは赤ちゃんの成長を妨げる大きな要素といえるでしょう。

 確かに布おむつは洗濯が大変です。うんちを片付けるのも一苦労です。お出かけするにも大荷物。私も3人の子供のおむつを持ち歩き、毎日のように洗濯物を干しましたから良くわかります。でも子供の人生を長い目で見ればほんの一時です。育ててもらった親のありがたみも良くわかりますし、子供が丈夫に育ってくれると思えば、おむつ干しも結構愉しいもんです。形がおなじですから干すのも単調ですしね。

 最近は、紙おむつで育てるとあまり泣きもせずおりこうさんだとか、育てやすいなどと安易な事を言うお母さん方を良く見かけますが、あなた方は赤ちゃんの意思表示を奪っているんですよ、といつも心の中で叫んでいます。

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6.おんぶ対前だっこ
 赤ん坊の育て方は時代とともに移り変わってきましたが、おっぱいをのませている姿をめっきり見なくなりました。お母さんである前にまず「女」なのだろうと思います。おんぶ紐に関してもずいぶんいろんな物があります。少子化をにらみ多少高価でもファッション性を重視した製品が多くなった気がします。最近気になるのは前だっこです。いつも顏が見えるからいいということでしょう。背負っている姿は苦労しているようにも見えますから、これもファッション性を重視したものだろうと思っています。

 しかしこのことは赤ん坊の脳の発育を妨げます。おんぶされているとお母さんの背中越しや横を見たりしていろんな景色が目に飛び込んできます。眼に映る変化が脳細胞を刺激します。ところが前だっこだと赤ん坊はいつもお母さんの顏を見ている事になります。これでは変化はありません。それどころかお母さんの機嫌のよしあし、声の調子や表情に左右された子供に育ってしまいます。赤ん坊の目の前で完璧な態度をとり続けることなど到底できるものではありません。
 

 また、体温を維持するためにはお腹と背中が理想的です。おんぶしているときは赤ちゃんは動いていません。生命力だけで体温を維持しています。お母さんの背中と赤ちゃんのお腹が合わさっている事により、内臓の働きを維持できます。前だっこはお腹とお腹が合わさっています。もともとお腹は冷えやすいですから、大人になると冷たい人が多く、しかも子育て中のお母さんは疲れていますからお腹が冷えている人は多いんです。前抱っこしていて赤ちゃんが暖かく感じないとしたら、母親が赤ん坊の熱を奪っているといえます。しかも隙間ができやすい構造が多く、赤ちゃんのお腹は冷えやすい環境にあるといえます。つまり前だっこは赤ちゃんの成長を妨げる結果に繋がりやすいのです。

 おんぶしていると熱くてすぐ汗をかいてしまうというお母さん、それはとても正しい事なんですよ。
 あなたのかわいい赤ちゃんの手や足は温かいですか?
 長ズボンやくつ下ははかせていますか?
 汗をかくからといって薄着をさせていませんか?

 赤ちゃんは体温が高いんですよ。汗をかいて当然ですよ。まめに下着を取り替えればいいんですよ。大変ですけど労を惜しんだり自分中心のファッションを追求しないで下さいね。
 前だっこが子供の成長を妨げている…。認識してもらいたいものです。
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7. 離乳食と蕁麻疹
 ベビー用品売り場に行くといろんな種類の離乳食が売っています。キャンプや旅行に行っても大丈夫。月だって行けそうです。戦後、欧米の思想が反映され生後半年を過ぎたら離乳食を食べましょうと言う医師や出版物が増えました。今ではそれが当然と思っている人が大半でしょう。もしかしたら99.9999……%そうかもしれません。その結果出てきた現象が蕁麻疹です。

 戦前までは1年以上母乳で育てていました。栄養が不足しているお母さんの場合は砂糖水などで補給していましたが、実はこれが正しい赤ん坊の育て方なのです。戦後の貧困さが離乳食に拍車をかけたのだろうと私は考えていますが、 生後半年という時期は固形物や母乳以外のものを受け入れるほどまだ内臓が成長していません。母児免疫による保護期間が終了しようやく「ヒト」として歩き始める時期です。大人と同じに考えてはいけません。毒素のない食品はありませんから母乳以外のものを体内に入れることは、その処理を強いる事になります。

 栄養を補充しようと離乳食を与えれば与えるほど赤ちゃんの小さな内臓特に肝臓や腎臓の働きが大きく崩れ、ついには体外に排泄できなくなります。その結果でてくる現象が蕁麻疹です。
 ここで要注意!蕁麻疹に対してすぐ塗り薬を使用することをしてはいけません。ステロイドが入っている物を使用するともっと大変です。塗るとすぐに湿疹は解消されますが薬の効用が切れるとさらに悪化します。薬の使用を繰り返しますとやがて皮膚が正常に対応できなくなり、奇妙な皮膚を呈してきます。つまり、アトピー(奇妙な)性皮膚炎です。塗り薬を使用し続けたことにより皮膚表面が異常な細胞増殖をするようになってしまったわけです。
根本を解消していないためにそうなるわけで当然といえますよね。

 蕁麻疹が出てきたらまず離乳食をやめ母乳または人工乳のみとし、便の回数が減ってないかを確認してください。離乳食を開始しますと7〜8回の排便が約半分に減少します。母乳を飲まなくなると1日約1回になります。蕁麻疹の赤ちゃんは毎日排便がないと思います。最低1日に1回排便があるようになると蕁麻疹は解消されている事と思います。生活を正しても改善されない時は東洋医療・小児ばりを検討してみてください。ステロイドを使用していなければ数回で蕁麻疹が解消されます。
 日本にもたらされた欧米の離乳食。半年で開始するのは早かったと過ちを認め今では1年以内に開始するよう薦めている国はありません。日本だけといってもいいぐらいです。日本は島国で保守的?です。もう世界的視野でものを考え実践してもいいのでは?……。
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