「捻挫」というのは、2本以上の骨で構成されている関節に急激な力が加わり、骨が正常な位置を保てなくなる状態を指します。簡単に言うとずれている状態です。関節を突き破ってずれるものは脱臼ですが、捻挫は関節内でずれた状態です。腫れたり熱を持ったりしますが、日常生活を送れないほどにはならないため、すぐ病院に行かず湿布をしているだけで、いつかよくなるだろうと放置している人も多いようです。
軽くずれた人は見た目がほとんど変わりませんが、強い力が加わると血管が切れ、内出血を起こし関節内に血がたまります。安静にしていないと出血が進み、関節が膨れ上がります。数日立つと皮膚表面に血液が移動し、打撲をしたようになります。筋肉や皮膚の動きを制限し、内出血部分に痛みを生じるようになります。
人によっては関節周囲の靭帯が切れます。靭帯が切れると関節の位置を正常に保つことが困難になりますので、安静にしていないと靭帯の損傷が広がり、動けなくなります。また、血管や神経を傷つけることもあり、捻挫した日よりも3〜4日後のほうが痛みや腫れが強いといって医療機関を受診することになります。
捻挫をしたら、徒手整復術(非観血的療法)をし、関節の腫れと動揺を防ぐためにテープや包帯で固定することが重要です。2週間適切な処置をすれば捻挫はまったく問題のない外傷です。
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