ラメ糸はポリエステルフィルムにアルミニウム等の金属を蒸着させたものです。
従って、酸やアルカリ、汗に非常に弱く、金属がはがれて光沢がなくなりやすいものです。
ラメ糸を使用した衣類は漂白剤などによるシミヌキができません。
シミを変色させてしまったら、もうアウトです。
衣料本体が淡い色合いのものに、部分的に濃い色の皮革を使用したものは、
クリーニングによって皮の色が移ることがあります。
耐クリーニング性よりもファッション性を優先した外国製品にしばしば見られます。
外国で衣料品を購入する場合には、充分な注意が必要です。
濃色のシルク製品には色が出やすいものが多いものですが、
特に中国製とイタリア製シルク製品には染色堅牢性の大変悪いものが多く見られます。
そのような品物に、シミや汚れを付けたらまず取れなくなるとお考え下さい。
なぜなら、シミや汚れを取ろうとすると、色まではげてしまうからです。
中国製の合成レザーには、塩化ビニル樹脂を使用したものがあり、
しかもドライクリーニング指定の洗濯表示になっているものがあります。
塩化ビニルをドライクリーニングすると、収縮・硬化してしまいます。
このような品物の品質表示にはほとんどが「塩化ビニル」とは書いてなくて、代わりに「ポリエステル100%」などと表示してある、大変まぎらわしいものがあります。
摩擦に対して非常に弱いので、ショルダーバッグの肩紐の擦れ等によって、
よれたりはがれたりしやすくなります。
特に薄膜をコーティングした表皮タイプのものは、
製造から3〜5年
で自然に劣化してはがれやすくなってきます。
このようになった品物は、クリーニングでもまれる事によって、一気に剥離が進む場合があります。
エアテック製品は、家庭洗濯での洗濯機故障の多発ということで有名になりましたが、この白色版はドライクリーニングによる変色事故が多発しています。
ユニクロからもクリーニング業界に対して注意が促されているものです。
ドライクリーニングの
カチオン洗剤と表地の裏コーティング剤が化学反応して変色が起こります。
通常のアニオン洗剤で水洗いした場合でも、
柔軟剤(カチオンが含まれている)を使用したりすると、変色の危険があります。
白色エアテック製品の洗濯は、クリーニング店の
大型水洗機による水洗いが最も安全な選択です。
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ユニクロ製白色エアテック・ジャケット(コート)
ポリウレタン(合成皮革)製品
中国製合成皮革製品(塩化ビニル製)
中国・イタリア製シルク製品(色の濃いもの)
部分的に濃い色の皮やスエード(裏皮)を使用した製品
ラメ糸を使用した製品
このコーナーは、クリーニング店の視点から見た、
取り扱いにおいて注意が必要な生地・装飾についてまとめたものです