+J

ユニクロのブランドの一つです


当社では、日々大量の衣類を取り扱っていますが、
その中で「値段の割に品質の良いブランドは何?」と問われた場合、
以前取り上げた「Maker's shirt鎌倉」と並んで、この「+J」を挙げます


この+J。正直な所、人目見て「これはすごい!」と思う訳ではありません

しかし、手に取って良く観察して、部分的なデザインや全体のシルエット、
および洗浄後の形状変化などを総合的に考えると、
「価格と品質のバランスが、非常に優れたブランドである」と思います

しかし、現在+Jはユニクロに行っても売っていません
ユニクロは以前、+Jブランドを手がけたジル・サンダースとの契約が終了した事を
正式にアナウンスし、+Jブランドの終結を発表しました

しかし、このブランドには根強いファンが多く。
「+Jの最後の新作」が発売された際には、銀座店に行列が出来たそうです

ではなぜ、そのような人気のブランドをユニクロは終了させたのでしょうか?


このブランドを手がけたジル・サンダースはミリ単位にまでこだわる、
という話が流通新聞にて以前掲載されていましたが、その事により商品の開発が遅れ、
「秋物が秋に間に合わない」といった事が発生したそうです

冬に秋物衣類は全く売れない、という事はありませんが、
「売る機会」を大きくロスしてしまう事になります

そのため、+Jに根強いファンが沢山いても、
ユニクロとしてはある程度見切りをつけざるを得なかった、
という記事が流通新聞に掲載されていました

ただし、ユニクロとしては「ジル・サンダース流の服の作り方」
という貴重なノウハウを得たため、無駄や失敗とは言えないとの事


当社のお客様においても、+Jファンは少なからずいて、
スーツ上下とワイシャツ、全部が+Jという方もいます

Maker's shirt鎌倉にも言える事ですが、良く出来た衣類は、
繰り返し洗っても型崩れが起きず、特殊なボタンや装飾品も付いておらず、
正に「買った時のまま、繰り返し洗って使える」ように出来ています

良い製品を安定して供給するブランドが消えてしまうのは、
クリーニング業者としても寂しい限りですが、今後のユニクロの商品に
+Jで培ったノウハウが生きて来る事でしょう


第五十回:+J

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

バックナンバーは、こちら


第五十回は、ユニクロが販売していた「+J」ブランドについて