クリーニング豆知識

第四十八回:ルナマジック

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第四十八回は、テレビで取り上げられたシミヌキ剤について


昨年(2011年)の12月に放映された、TBS系「がっちりマンデー」にて、
このコラムでも度々取り上げている
「クリーニングの業界紙」
全ドラ
が取材を受けていました

内容は、「各業界紙のイチオシニュース」のようなもので、
そこで取り上げられていたものが、
テイクネットの
「ルナマジック」です


このルナマジック、要は「血のシミヌキ剤」です

番組では、馬の血液で染めた小さな布を、ルナマジックの中に漬けて、
血のシミが落ちていく過程が紹介されていました

番組放映後、取材を受けた全ドラには、
「あのシミヌキ剤はどこで買えるのか?」
という問い合わせが殺到したそうです


た・だ・し

血のシミは大抵、石鹸で落ちます
(いきなり強くゴシゴシこすると、衣類を傷めます。
まずは弱めにやってみて下さい)

ルナマジックを使用するような、
大量の血のシミが頻繁に付く環境というのは、
病院など一部の場所だけではないでしょうか

当社でも、一般には流通していない、
クリーニング店向けのシミヌキ剤を販売している会社から購入した、
シミヌキ剤がいくつかありますが、
毎日フル活用しているか?というとそうでもありません


そのようなシミヌキ剤に頼らずとも、
少しついた程度のシミであるならば、
身の回りにある洗剤や石鹸など、
一般家庭にあるようなもので大抵は落とす事が可能です

クリーニング店のシミヌキ、というと、
とても専門的な事をしているように思われがちですが

基本的には
「このシミには、これ」という対処法を理解し、
シミヌキ用の機材を揃えているというだけで、
「一部の、特殊な技術を持った人しか出来ないシミヌキ」
・・・のようなものは殆どありません


ただ、
「この素材に、このシミヌキ剤は、絶対にNG」
・・・という組み合わせがあるので

いきなり漂白剤をかけてみるといった、
「強めのシミヌキをいきなりやる」のは、リスクが非常に高い行為です

こちらに、

「日常生活の中で付きやすいシミと、その対処法
」をまとめてあるので

「しまった、シミつけちゃった!」という場合、
まずはいきなり自分で何とかしようとするよりは

インターネット上の情報を集めて対処法を理解した上で、
可能な範囲で対応する、という事を習慣付けるようにして下さい

そのような、
「情報を集めた上で、正しく対処する」ことが、
結果として、お気に入りの服を長く長く使える事につながります