第二十六回:蛍光灯の光と衣類

蛍光灯

『明かり』として不動の地位を築いており、
もはや蛍光灯のない生活は考えられない程、日々の暮らしに密着しているモノですが、
「蛍光灯の光で、衣類が変色する」という事はあまり知られていません

具体的には、光の当たった部分が黄色っぽく変色します


ただし、2〜3日光に当たっただけで変色するワケではなく、
一ヶ月〜数ヶ月間、ある程度頻繁に蛍光灯の光が当たる環境に、
衣類を出しっぱなしにしておいた場合に変色が起こります
変色は白い衣類だけでなく、水色など薄い色合いの衣類も変色する事があります


変色が起こりやすいのは、やはり上着類で、
「一週間に何度も着るので、ハンガーにかけたまま」という状態が何ヶ月も続いた後、
ふと気が付くと全体的に黄色っぽくなっている・・・というケースが多いです

また、この変色は蛍光灯だけではなく、太陽光でも起こります
人の出入りがなく、あまり明かりを付けない部屋であっても、
太陽の光が当たるような場所に衣類を出しっぱなしにしておくのは、大変危険です


当社では、お仕上がりから一ヶ月間引取りに来られない場合、
引き取りをお願いする旨の電話での連絡を行っていますが、
この連絡は蛍光灯による変色から衣類を保護するためのものです


衣類は、キレイに洗っておけばそれだけで安心、という事ではなく、
その後で保管しておく「場所」も非常に重要です

大事にしている衣類には、シミを付けたらすぐ対処する、連続して何日も着ない、
といった事と同時に「どこに置くか」も注意を払うと良いでしょう

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第二十六回目は、意外な変色の原因について