第二十三回:建築基準法に関する報道について

昨年(2009年)、クリーニング業界2位のきょくとう、
および業界3位のロイヤルネットワークの2社の違法操業が発覚
建築基準法に基づく行政指導を受けました(担当は国土交通省)


何が問題になったかというと、『工業系地域』以外の場所で、工場が操業していたからです

これは、建築基準法に「石油系溶剤を使用するクリーニング店・工場は、
都市計画法が定める『工業系地域』にしか造る事が出来ない」、
と定められているためで、行政指導を受けた工場等はいずれも、
『工業系地域』以外の場所に造られていました

これに伴い、国土交通省は、全国のクリーニング店の調査に乗り出しました
調査対象は全国で32000と言われています


所変わって国会

国土交通委員会において、民主党の村井宗明議員がこの問題を取り上げ、
「違法操業だからと言って全て是正しなさいとなると、
多くのクリーニング店が廃業せざるを得なくなるため、政治的判断が必要」とし、
これを受け馬渕副大臣から、
「建築基準法違反=即時是正ではなく、例外的な許可を検討する」との回答がありました



一方、当社は・・・・というと、「駅前の商業地域」と思われます
現行の建築基準法に照らし合わせると、違法操業の可能性があります

ただ、ここまで国民の生活に密着した業態を、
「法令違反」の一言で一掃出来るかというとそこまで簡単なものではなく、
調査に乗り出した国土交通省も「調査しても、ほとんどが違反になる」のは分かっており、
取り締まるにも取り締まれない、困った状況にあるようです


問題発覚から数ヶ月、事態の推移を見守ってきましたが、
馬渕副大臣が「例外的な許可を検討する」と言い、
前原大臣も「良く考えなければならない」という趣旨の発言をした事で、
全ての業者が即座に是正を求められるような事は無さそうです

多くのクリーニング業者にとって、「当面の問題は回避した」と言って良い状況ですが、
これからどうなるかはハッキリとはまだ分からず、予断を許さない状況にあります


「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第二十三回目は、新聞等で取り上げられた話題についての、当社としての見解を