第百五十五回:「TimTamとBitte」
「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」
常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています
第百五十五回は、「何故それを買うの?」について
「TimTam」と言うお菓子があります
オーストラリア産で、
クリームなどが挟んである2枚のビスケットを、
チョコレートでコーティングしているもので、
KALDIで良く売っています
長く売っていると言う事は、熱心なファンがいて、
売れ行きが良いのでしょう
(期間限定のものを含めて、かなり多くの種類があります)
「Bitte」と言うお菓子があります
江崎グリコから出ている商品で、
クリームが挟んである2枚のビスケットを、
チョコレートでコーティングしているものです
TimTamとの差別化なのか、
TimTamにはない味のバリエーションが多くあります
この二つは、非常に良く似ています
しかし、このTimTamとBitte
Bitteの方が日本人好みの味で、
何よりTimTamよりカロリーが低めです
しかし、KALDIに行けばいつもTimTamが売っていて、
AmazonでもTimTamを購入する事が出来ます
これが、『売る側』から見た、
消費行動の分かりづらさです
単に数値やデータで比較した場合、
Bitteの方が日本人の好みに合わせた製品と言えます
しかし、TimTamが売れなくなると言う事はなく、
根強い人気を誇っています
一方、全く分野は違いますが、スマホの登場で、
いわゆる『ガラケー』のシェアは大幅に低下しています
人がものに対してお金を使う際、
合理的ではない事が多々あります
スーパーで特売品だけを狙って買う人が、
服に関してはブランド品だけ買うなど
それは、消費と言う行動そのものが快感をもたらすものであったり、
気まぐれに左右されるものであるからです
『売る側』の視点で世の中の商品を見ると、
「何故これが?」と思うものが売れていたり、
逆に売れていなかったりします
商品やサービスを、特に大企業のものを
『その仕組みを考えた人』の視点で見てみると、
儲けのからくりが見えて来ます
「最初の〇ヵ月無料!」と言うサービスは、
無料期間が終了した後、
退会手続きを自分で行わない限り
大抵はそのまま『自動的に』
契約が更新されていく仕組みになっています
売れているから、流行っているから、
無料だから、で飛びつく前に
「どんな仕組みで、この会社は利益を上げようとしているのか?」
と考えてみて下さい
考えた上で、自分にとってメリットが大きいので利用する
デメリットの方が大きいのでやめておく
・・・と言うクセを付ける事が、自分を守る事に繋がります