第十二回:実は危ない!身近にあるキケンなものE

◎ネクタイ


前回のタバコと同様、夏場に多く見られるのが
着用中にかいた汗で染料が流れ出て、ネクタイ色に染まったワイシャツの襟です

ただ、ネクタイの接する面は、ワイシャツの襟の裏側である事から気づきにくく、
いつの間にか裏が染まっていて、それが表にも・・・となってから発覚する事も多いです

また、襟が染まってしまう事に加えて、ネクタイ自体も汗で脱色している事があります


汗が付着する=水に濡れる、という事ですが、
ネクタイは基本的に水洗いできるようにはなっていません
当社でも、ドライクリーニング以外の処理をネクタイに行う事はまずありません

ドイツあたりでは、そもそも「ネクタイを洗う」という習慣がなく、
基本的に使い捨てである、という事を聞いた事があります


防止策ですが、「汗をかかない」という事が一番ではありますが、
それにも限度があります

そのため、ワイシャツの襟の裏側をたまにチェックするよう心がけると同時に、
ネクタイと似たような色柄のカラーシャツを着るのが、
目立たせない、という意味では効果的かと思われます


クールビズの普及で、ノーネクタイが大分広がってはきましたが、
まだまだ一年中スーツにネクタイ、という方は多いでしょう

ワイシャツの襟の色が変わってしまってからでは遅いので、
「ネクタイとシャツの色を合わせる」という事を心がけると良いでしょう


万一襟に色が付いてしまっているのを発見した場合、
汗で溶け出す=水溶性なので、すぐにでも自分で洗うか、
もしくは当社にお持ちいただければ、色抜きのシミヌキ処理を致します


夏場には、胸ポケットのタバコと合わせて、ネクタイにも注意を






「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

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第十二回目は、ネクタイと染料のお話