クリーニング豆知識

第六回:ドライクリーニングとは

「クリーニング業に携わる人間からすると当然の事であっても、
お客様からすれば当然でない事はたくさんある」


常々感じていたそのギャップを少しでも埋めるため、このコラムでは、
クリーニング業者から見た、衣類に関する様々な豆知識を公開しています

第六回目は、名前は知られていても、内容はあまり知られていない、ドライクリーニングについて


◎ドライクリーニングとはそもそも何の事か

最近は、よく洗剤のCMで
「ドライマークの服も洗えます」
と謳っており、
『ドライクリーニング』という名称はかなり浸透してきたように思います

しかし、肝心の「ドライクリーニングとはどういうものか?」
・・・という点に関しては、まだまだ知られていないという印象を受けます


ドライクリーニングとは、
ドライ(=乾燥)の名前の通り、水を使わない洗い方の事です
では何を使って洗うかというと、多くの場合は油(石油系)です

ドライクリーニングと言っても1種類だけではなく、
水を使わない洗い方全般を指す、と考えて間違いないでしょう

最近では、従来の石油系に加えて、
柑橘類のエキスを洗剤に混ぜ込んだものや、
特殊な製法で石油に水分を含ませた洗剤なども開発されています


では、ドライクリーニングは、
家庭での水洗いと比べてどこが違うのか、と言うと

@衣類へのダメージが少ない
A油汚れをよく落とす
Bドライクリーニング専用の機械が必要になる


という事が大きな特徴です
スーツや、ウール100%のセーターが、
ドライクリーニングしか出来ないのは、
水洗いすると型崩れや縮みを起こすからです


一方、ドライクリーニングには
「水溶性の汚れはあまり落ちない」という弱点もあります

そのため、ドライクリーニングしか出来ない衣類に関しては、
洗う前のシミヌキが重要になります

ただ、生地によっては水に弱いものもあるため、
「ドライクリーニングのみの衣類には、
水溶性のシミはなるべくつけないよう気を付ける」

という心構えが、衣類を長持ちさせるポイントと言えるでしょう