スペース電波ステーション
トップページ このサイトと管理人について 更新履歴 notes Legacy notes イラスト置き場 ■■

【the words and world】

■世界■
基本的には現代世界と同等か少し進んだ文明レベル。ただし、魔術が存在したり色々な秘密組織があったりと微妙な差異がある。

▼酉野市
 新大陸アトラスの入植地のうち、イギリス王室属領「扶桑」のコミューンのひとつ。
 山と海に囲まれた風光明媚な土地柄で、長閑な避暑地として親しまれている。田舎にしては比較的賑やかな街だが、無駄に大きなビルや街外れの大型商業施設が無いのが特徴。基本は日系人居住区として開発された街であるためか、多民族・多人種な人口構成ながら良い意味でのいい加減さで共存がなされてる珍しい環境。また、郊外には先の大戦で山落とし攻撃に使用された富士山がそびえ立ち、名所として親しまれている。
 時空の裂け目跡が山を挟んで向こうに位置しており、思い出したころに怪異が発生する土地柄でもある。そのため、市街地開発時に幅の広い道路を多数巡らせており、有事の際にはウルトラ広場として運用可能となっている。
 大戦時に英国に保護された日系人は、戦後に扶桑の開発・開拓に回された。同様の日系人居住区は他国にもいくつかあるが、他の民族に溶け込んでいる方が多数派で、すでに日本人としての自認を失っている物も多い。
 扶桑は自治権を有し議会が運営されているものの、法律に関しては従来の王室属領とは異なり独自のものを有してはおらず、英国新大陸領のものが適用される。また、外交と防衛は本国に依存している。


 日本国政府は既に存在しない。また、亡命政府すら成立することはなかった。戦前の同国の混乱から多くの文化は途絶えており、他国の博物館などに収容されていた文物や国外にいた日系人の記憶を元に日本文化の再現が試みられている。扶桑州には戦後に本土から持ちだされた文物が多数あり、そのため比較的21世紀初頭の日本に近い風俗となっている。 


▼酉野市に存在する食い物屋のリスト
※商店街〜駅前
■甘味処"やなぎや"
 和洋取り揃えた甘味処で喫茶店としても人気。
 20分以内に完食すれば無料のギガントパフェとバケツプリンが名物。

■角の茶屋"井筒堂"
 抹茶ソフト220円が名物。他にダンゴとか色々。

■USサイズ
 ビックサイズなアメリカン・ハンバーガーと鉄板焼きの店。その名のとおり大味な料理ばかりだが、古き良きアメリカを再現した雰囲気が好評で客層は広い。

■博多ラーメン"半ドン"
 ラーメン500円、チャーシュー200円、その他トッピング80円。替玉は120円で5玉目にはチャーシューを2枚つけてくれる。

■オーソン
 何の変哲も無い大手コンビニのフランチャイズチェーン店。忙しい朝は重宝する。元酒屋。

■宝飯鴻楼(ほいこうろう)
 中華料理屋。お持ち帰り可能な点心が人気。

■たこやき"ジジ"
 たこ焼き専門店。オーソドックスなたこ焼きからチーズ焼き、キムチ焼き、チョコレート焼きなどといったメニューがある。また、タコの皿盛りも食べられる。

■おむに舎
 オムレツ・オムライス専門店。店名はあくまで響き優先で、ロボコップとは関係ない。だが店員がたまに警官や忍者の格好をしていることがあり、油断は禁物だ。

■とんかつ"麦"
 麦飯とキャベツはおかわり自由のとんかつ専門店。ここのブタは産地指定で麦を使った飼料を与えられているとか。

■プロマージュ
 その名のとおりチーズ専門店。置物代わりの5年ものパルメジャーノがマスコット。

※繁華街
■焼き鳥"フェニックス"
 色々なモノに襲われる親仁が名物。

■ダイニングバー"メッセージ"
 お洒落なバーだが通称は不本意ながらダイイングメッセージ。各種カクテルとピアノ生演奏が楽しめる。

■スパシーバ
 外国人キャバクラ。

■三国一
 箸が立つほどの特濃スープが特徴のラーメン店。駅前に2号店あり。

■串かつ"百舌鳥"
 普通の串かつ屋。基本的にはビールを飲む店である。

※オフィス街
■吉祥
 独自開発した添加物ゼロのラーメンをウリにしており、コクがありながらアッサリとした大人の味わいは、どの時間に食べても胃にもたれない。
 20分以内に食べきれば無料になるという"ド根性ラーメン"も。


※住宅地〜学校付近
■イタリア料理レストラン"貴婦人亭"
 本格的ながらリーズナブルなコースが人気の店。
 オーナーは"Mr.クリスマス"、"カルレット"ことジャンカルロ・ナターレ。

■ベンガル虎
 インド人のカレー店。他とは一線を画する本格インドカレーが大人気。1300グラムの"三千大千カレー"を30分以内に食べ終えるとタダ。

■餃子"飛車角"
 ギョーザとライスと味噌汁しかメニューが無いギョーザ専門店。専門店というだけあってギョーザの種類は多岐にわたり並一皿20個300円、定食は500円という安さが魅力で学生に人気。

■洋食"セカンドハウス"
 定食800円からと少々高いが、ライスおかわりし放題の洋食店。ビーフシチュー定食が一番人気。

■ふきのとう
 ラーメンとチャーシューメンしかメニューが無いラーメン屋。ただし持ち込み自由。メシ時には弁当やライスを持った体育会系、夜にはサークル帰りの文化系で賑わう。

■大学学生食堂
 ジャンボ唐揚げ定食が凄い。



■背景設定■
◆南極戦役
60年前に勃発した人類と外宇宙知性体との戦争。
なんとか人類の勝利となったが、既存社会は9割方破壊される結果となった。

◎対戦相手
外宇宙知性体”冥府魔神33柱”
南極の氷の下にある次元の裂け目から幽世(アストラル界)を通ってやってくる外宇宙からの来訪者。
機械とも生物ともつかない体組織をもつ、巨人やタコやら昆虫やらを合成した怪物。知性はあるが人類には介せない言語を用いる。
俗に、外なる神や機械神などと呼ばれた。

◎経過
南極より現れた地球外知性体は、ニュージーランド沖の海底遺跡を浮上させ前線基地とし世界を蹂躙した。
人類側は国家単位で個別に抵抗を試みるが、強大な敵の出現で団結を余儀なくされる。それまで社会の影に潜んでいた魔術師協会が表舞台に出し、また過去の英霊を召喚するなど総力戦を挑む。しかし敵の本拠地が極地という戦闘を継続するにはあまりに困難な地理的条件であるため、戦争は長期化の一途をたどる。
追い込まれた人類は『ポールシフト作戦』を実行、魔術師協会本部兼超巨大兵器バビロンの空中神殿の力で地軸を動かし南極大陸を赤道付近へ移動させ、日本列島と南米大陸から大抗勢をかける。凍土が原野へと変わるにつれ人類の勢力は外宇宙知性体の領域を切り取り始め、ついには次元の裂け目を
塞ぎ外宇宙知性体の侵攻を終わらせるに至った。
しかし、人類軍の勝利が確定したところで、後方での中国の内乱と各所への侵攻により人類軍の兵站が破綻。戦争は集結したものの人類側の既存の世界も破滅を迎えることとなった。

◎戦後
人類の居住域は最初の攻撃で大きな被害を受け、いくつかの国家は消滅の憂き目を見ている。後にポールシフトなどという無茶苦茶な手段が取られたのも、すでに守るべき人民や資源が大きく失われていたからである。
また、ポールシフト作戦は戦後に地軸を修正する予定であったものの、その力は失われてしまっている。結果として、北極点となってしまったユーラシア大陸中央部は人類の居住に適さない土地となってしまい、戦禍と環境破壊で追われた人類は新大陸アトラスと名を変えたかつての戦場に入植することとなった。
さらに戦役集結宣言直後、中国大陸において既に崩壊していた政府より派生した複数の軍閥が旧日本、旧東南アジア、旧南アジア地域へとそれぞれ進撃を開始。以後アジア全域は果てしない紛争へと突入し、さらに極地移動により凍土となったため新世界から切り離されることとなった。
また、前世界連盟なる活動家集団が戦役で功のあった人々を世界の破壊者として敵視するようになった。

◎テックレベル
基本、21世紀初頭と同等。
固定回線よりもモバイル回線の方が普及しており、いきなりIP網敷設。
右手首と後頭部にICチップを埋め込み、社会保障番号や口座とリンク。現金を持ち歩かずとも買い物が可能。(ATM網の敷設が大変だったので)。回線を通したくない取引のために、キャッシュというプリペイドカードも用意されている。
石油は樹脂の素材にシフトし、電気と燃料電池、天然ガスが主流。
魔術がわりとおおっぴらに存在する。
戦役初期に各国の軍が多大な損害を受けたため、個人所蔵のプロペラ機が縦横に活躍するというワケの判らない状況が発生した。

戦役の影響で物質世界と幽世の境界がおかしくなっているので、不条理なことが結構起こる。また、各地の山を移動させて冥府魔神を下敷きにして殺すといった作戦により残った山は冥府の妖気によりゴブリンなどの魔物の巣む山とかしている。そういったものが人里に出ないようにするのもこの時代の魔術師の仕事である。


◎主要登場人物と関係のある、当時活躍した人々
※先の戦役で世界を救った人々は同時に既存世界を滅ぼしてもいるので、敬して遠ざける方向の扱いを受けていることが多い。

藤宮翡
(ふじみやあきら) 当時15〜19歳
本姓は物部宿禰。藤宮左京大夫物部宿禰翡雅(ふじみやさきょうだいぶもののべのすくねあきまさ)
藤宮姉妹の父。異能に起因する身体能力”無双腕(むそうかいな)”を持ち、それを卓越した武術スキルで的確に行使する。
現代では文化財保護財団に所属し、アジア地域から文化財の持ち出しを行っている。
また旧日本からの土地神の勧進、遷宮活動を行なっている。この活動により、扶桑地域の山岳地帯は魔物の出現が少ない。
自分の能力が伝統に乗っかっているものだと意識しており、それが戦後の活動の原動力となっている。戦後の活動に及び、神への誓いで自らの右腕を捧げたため、隻腕。


藤宮侑子
(ふじみやゆうこ) 当時18〜22歳
魔術師。先代のアーツ・オブ・レガシーのマスター。
故人。
本姓は物部宿禰。藤左京物部宿禰侑子(とうのさきょうもののべのすくねゆうこ)。藤宮翡から見ると従姉で、侑子の方が、藤宮家の嫡流であった。
生前に残していた卵子が、藤宮姉妹の元になっている。


蔵太亜沙美
当時の外見年齢20歳程度
大火力でのゴリ押しを好む。礼二郎に気があったらしい。戦役終結とともに姿を消す。
現在は別の姿で扶桑で店を開いている。


永森礼二郎
当時20〜24歳
天才科学者。幾多の技術革新を先導し戦線を支える。
故人。翡とは親友だった。また侑子と付き合っていたことがあり、その経験がトラウマになった。
人心が逼塞した日本国が行った、人工子宮による世代刷新政策により誕生。そのため、過去の歴史・文化の連続性を全く尊重しない思考をする。それがフェイズシフト作戦の立案、実行の原動力となった。
戦後はとっとと隠居しているが、女性を取っ替え引っ替えしたりして結構面倒を振りまき多くの妻や子とはほとんど断絶してしまっている。そうした行動から、悪名も多くつきまとうこととなってしまった。
自分に子ができたら礼二郎の子と結婚させようと約束していたが、孫の代でようやく実現する運びとなった。

孫である蛍太郎の行く末を案じ、ある贈り物をしたあと、研究成果を奪いに来たドクターブラーボと対決し、この世を去った。

侑子と付き合っていたころ、アーツ・オブ・レガシーから引っ張りだしてもらった古代日本の技術を色々と転用していたりする。
(やったー!釘を使わない建物の作り方がでてきたぞ!→ナノマシン技術に応用とか)
この件があるので、藤宮家には借りを感じてるらしい。また多少は過去の歴史を尊重するようになった。


ドクターブラーボ
天才科学者。礼二郎と共に戦線を支える。
戦後に袂を分かち、世界征服のために活動を始める。ある実験で大事故を起こし、礼二郎の娘とその夫(蛍太郎の両親)は死亡、自らも重症を負い、サイボーグとなっている。
数十年後、礼二郎の元へ現れ彼の研究成果を奪おうするが、家屋兼研究室ごと自爆されたため何も得られずじまい。そのうえ、脳髄だけとなってしまった。さらに、以後の活動に蛍太郎の妨害を受けることになる。


藤宮 悠璃
未来から来たと称する、謎の少女。魔術師であり、強大な力を持つ黄金の擬神化機械、”レジーナドーロ”を操る。


◎メカ設定
●機動トーチカ兼移動砲台

ディアマンテII
ブラーボが所持するオーバーテクノロジーの粋を凝らして作られた戦闘メカ。
反重力推進機関で移動し、四本のメカアームによる格闘のほか、全方位レーザー、最終兵器ディアマンテ・キャノンなどの超兵器を装備。さらに超重装甲やフォースフィールドなど、防御にも抜かりは無い。
またほとんど人間に近い思考パターンをもつ超AIを搭載し自律行動と自動メンテナンスを可能としている。
この作品に登場するロボやら何やらの中で、現用兵器にケンカを売って勝利できる数少ない存在。
動力源は縮退炉。
また、超AIを構築したのは蛍太郎である。



●巨大ロボ

ダレイオス→ イスカンダル

永森礼二郎が先の対戦時に建造したもの。
外宇宙からもたらされた縮退炉”コル・レオニス”を使用し冥府魔王とも互角に渡り合う力を持つ。
基本は徒手空拳だが、内部のエネルギーを開放し実体化するソリッドレイにより様々な武器を生成するほか、飛び道具としても使用する。
冥府魔神と殴りあいさせる運用のために開発されたものだったが、兵器としての実用性には乏しく、次第に歩兵や戦車の盾、または外部電源として使われるようになっていった。


レオニダス
永森礼二郎が孫の蛍太郎の行く末を案じて創り上げたもの。兵器ではなく、夫婦喧嘩用機動トーチカ。
魔術師協会からちょろまかしていたイデアクリスタルにイスカンダルを元にしたデータを封入したもので、蛍太郎の遺伝子パターンをクリスタルが読取ることで周囲の魔力源・エウェストゥルムを用いて再構成される。戦時中に開発されたリコンストラクショナブル・パワードスーツ(エネルギーがある限り逐次再構成されるタイプ。充電さえすればメンテナンスフリー)を更に大型化したものであり、いわゆるロボットではない。脳波と音声によるコントロールで動作する。コックピット内部のレバーは対ショック用の手すりである。
蛍太郎の花嫁候補がいずれも強大な戦闘力をもつことが予想されたため、強靭な装甲とバリアを形成するように作られている。

基本的には自衛用なので武装はないが、装甲とバリアを利用した肉弾戦は強力である。また、ソリッドレイで生成されたマフラーは伸縮自在で攻防に使うことができる。
動力源はエウェストゥルム反応炉。魔術師の象徴機械と同様に、操作するものの感情に応じてパワーが上昇する(命の危険を感じれば感じるほどにバリア出力が上がるようにという粋な計らいである)
実際には本来の用途に使われることはなく、ドクターブラーボの世界征服を阻止するために戦う。


●特殊工作機械
キュプクロス

かつて永森礼二郎がアーツ・オブ・レガシーから太古の知恵を拝借したのと同様に、ネットワーク上のデータを総ざらいした集合知と目前に状況データから、独自のアルゴリズムで判断し最適な道具を作り出す機械。
発想自体は礼二郎にもあったが、モデル材の用意が難しいのとAI構築が不得手であったため実現はしなかった。
レオニダスの実体化システムからヒントを得た蛍太郎が、ある魔術師から拝借したイデアクリスタルをコアとしてモデル材を逐次性生成するシステムを追加し、アルゴリズムを組んで完成に至った。
ディアマンテの超AIの存在を踏まえ、キュプクロスのAIは敢えて擬似人格を与えず、暴走を抑制している。
モデル剤をある程度目的に形に沿って形成できるため出力は極めて高速であり、さらに内部の工作機械によりナノレベルでの部品作成と組立が可能。モデル材は樹脂のように弾性や硬度など様々の物を生成し対応できる。ただし、こうしたモデル材で生成されたものは完成時点でイデアクリスタルの制御を離れるため、15分後には自動的に消滅してしまう。

また、モデル剤として通常のABS樹脂や金属を使用可能で、その際は通常の3Dプリンタとして利用ができる。

※この世界では3Dデータを読み込んだ工作機械での工業製品生産がスタンダードなので、キュプクロスの機器自体は割りと枯れた技術である。



●擬神化機械(Deus ex falsus)
神の模造品


レジーナドーロ
藤宮ユウリのもうひとつの姿であるが本来は四肢が存在せず、魔術機械と宇宙船のパーツを組みわせたアペンドパーツを装着している。
アペンドパーツにディアマンテIIとレオニダスのデータが使用されているので両者の後継機にあたる。
時の氏神の加護を受け、クロノトンに作用し時間と空間を操る。
蛭子神としての性質を持ち、時空の海を漂泊する運命にある。
動力源は藤宮ユウリの気力と体力。

レジーナネーロ
ネメシスプライムカラーのレジーナドーロによく似た機体。能力もほぼ同一で、コアは藤宮悠璃のクローン体であるネメシス。
アペンドパーツはグリフォン型の自律メカへ変形する。

シュライン・オブ・バビロ
バビロンの空中神殿ロボットモード。全高600m。地球の地軸を動かすほどの力を持つ。
その運命は魔術師たちを守り導くこと。
動力源は魔女王ヘカテの気力と魔力。


●神(Deus)
人智を超えた高次元存在。

冥府魔神33柱
かつて人の世を滅亡寸前まで追い込んだ存在。南極戦役により元の世界へ撤退したものや、新大陸の大地に封じられたものなど複数存在する。大地に封じられた魔神の欠片は、周辺の環境を瘴気で満たしモンスターホールを創りだしたり、それ自身がモンスターとして暴れまわったりする。
魔神からの電波を受信した魔術師たちの組織シャイターンが、現在の地上における彼らの代行者である。


季初日音媛命(ときそましますあきねひめのみこと)/ハイペリオン
藤宮璃音の神としての姿。
断雷御魂の雷蛇による冥神の力に加え、太陽と雷、水のエレメントを操るため戦闘能力は極めて高いが、本来の性質は豊穣神のそれであり、毛富御魂の力を更に強大にした大地と生命の息吹を活性化させるエネルギー波を放出する。
その運命は新大陸を命の揺りかごとして盤石のものとすること。
和名の由来は 大いなる力で大地の息吹を呼び覚ますさま より。英名の由来は Hyper Rion の音便。



◎魔術師(ソーサラー)
魔術(Sorcerlogy)
世界は二層式になっている。
ひとつは物質世界。もうひとつは、それと重なるように存在しているアストラル界だ。
そこは精霊たちが住む精神世界というべき場所であり、意識体が幅を利かせる世界である。精神のありようで存在の軽重が決定され、自我の強いものが全てを支配するところだ。

物質世界のうち、我々が住む宇宙ではヒッグス粒子が質量を伝え物質を存在させているが、アストラル界ではエウェストルムという本質が全てを形作っている。このエウェストルムは精神・思考を伝達し質量・運動エネルギーを発生させるものである。
物質世界でもエウェストルムは存在しているが、通常は反エウェストルムというべきものとつりあった状態で、特に何もなす事は無い(その逆も同様)。

ところが。
実は、物質世界の真の姿を認識しているモノはいない。
人間が現実として認識している世界は、感覚器官の情報を元に脳内で再構成したものであり、現実に存在しているはずの物質世界その物ではないのだ。脳内世界を形成するに当たり、データには当然見落としもあるだろうし、見たくないモノや知らなくていいモノは認識されていない可能性がある。そういう意味では、物質世界もまた、精神活動のありようで決定付けられる世界といえる。
また、多数の人間の精神が形作ると謂われる"集団無意識の海=アカシャ"はアストラル界に繋がっており、つまり人の意識こそがアストラル界への入り口である(儀式により作られた"門"もあるが、それは後述)。
つまり、人の精神活動、意識こそが二つの世界をつなぐ架け橋なのである。


○魔術の基礎。
以上の点を踏まえ、精神の力を物理的な力に変換する技術が星の彼方で生み出された。
それが、魔術である。

精神力で持って物質世界の法則を変更する技術である。

物質世界はエウェストゥルムがゼロの状態でつりあっているが、そこにエウェストゥルムを発するものを持ち込めば、それは精神を媒介・伝達し一時的にアストラル界と同様な状態を作り出す。
人の精神はアストラル界と繋がっているので、そこから、つまり魔術を用いる者の心からエウェストゥルムを発生させるのだ。
エウェストゥルムが生み出す質量・運動エネルギーを自在に操るには、その精神を媒介にするという性質を利用する。つまり、エネルギーを生み出す為のシステムをイメージし、エウェストゥルムの存在する空間に投影すれば(投影する、というイメージを持てば)、燃料をエンジンに入れて運動エネルギーを引き出すように、エウェストゥルムを力として使える。そのシステムが魔術と呼ばれるものである。システムといっても、全てイメージなので呪文や結印などで意識上に描く無形の式、紋様、陣などなどといったものである。要は、「こういう風なイメージを持てば、こうなる」という思い込みが魔術のシステムの基盤なので、思い込みを確立する為の手段は何でもいいわけである。
このシステムを、術式=スクリプトという。

だが、エウェストゥルムを媒介するとはいえ、人の意識と物質、運動が釣り合うのかと疑問に思われる向きもあるだろう。
量子レベルの極小世界では、物質を構成するのも運動の力を伝達するのも素粒子である。そして、人の意識も脳内の電気活動であるので、素粒子によってなされている。
もっとも、最近では意識は脳内で行なわれる何らかの量子的活動であり、電気活動はその結果の出力に過ぎないという説もある。つまり、その量子的活動こそが意識の正体ということになる。
このように量子脳理論まで飛躍しなくとも、意識と物質は共に素粒子の運動によって存在しているわけだから、完全に等価ということになる。


術式を編むのは意識だが、意識をCPUとすればメモリに当たるのが脳である。術式の記憶、展開には脳による演算が不可欠だが、人間が意識的に使っている計算能力では物理現象を完全シミュレートすることは出来ない。そこで、脳の未使用領域の出番である。それを介して精神の無意識領域から"アカシャ"に接続し、不足分を補うのだ。
さらに、あまりに大きな処理の場合は、さらにアカシャを外部記憶装置的に借用して演算が行なわれる。つまり、術者以外の人間も無意識のうちに術式の成立を助けているのだ。
逆に言えば、阿頼耶識を得ている者は魔術の行使を妨害できる。
だが、普通の人間はアカシャを知覚することは出来ないし、そもそも目の前にある物質世界もマトモに見てはいない。つまり、誰も見ていないうちに、やったもの勝ち的に術式の成果をねじ込んでいるのだ。


さて、ここで問題になるのはエウェストゥルムの発生源だが、物質界とアストラル界の両方に同時に存在しているもの、二つの世界に跨って存在しているものは、程度の差こそあれ常にエウェストゥルムの発生源足りうる。
もちろん、人間をはじめあらゆる生物の魂=精神は二つの世界の境界線である。
そして、人の精神により変質を遂げた聖遺物や呪いのアイテム。聖遺物を模してしかるべき素材と製法で作られた聖別儀礼済みの物体。そして、魔術によって生み出されたモノ、である。

ある程度以上のエウェストゥルムを発生させられる人間が、それを活用する為の術式を後付で装備させた者が魔術師である。
生まれつき、もしくは異種間交配意図的に得た術式を血統管理で遺伝情報として体内に記録した者を異能者と呼び、時にその記録を血脈と呼ぶ。
記録方式こそ異なるが、魔術師と異能者は同根なのである。
もちろん、人間は鍛錬次第でエウェストゥルム発生量=魔力量はUPするので、成長したりもできる。

■Black Arts
魔術のこと。物理的な術が多い。スーパーロボットの技や武器にありそうな感じ。
もう一方の雄は精神と霊魂への攻撃。幻覚から霊魂そのものの破壊まで。

■魔術師(ソーサラー)
遺伝的資質によりエウェストゥルム発生量の多い人間=魔術師家系(ミスティック・ビーイング)に、外付けで魔術起動術式を持たせたもの。
身ひとつでは、魔力を発生させるだけ。覚えきれるような簡単な術式なら起動可能だが、強力なものほど複雑になっていくので、その際にはカンニングペーパーである"発動体"が必要になる。
"発動体"は、術者の周囲に立体映像のように術式を展開するものである。術者は、それに合わせて魔力を注ぎ込めばよい。これは丁度プレイヤーと楽譜の関係に例えられ"譜面"と呼ばれるが、当然術式は暗記しているほうが起動が早くなるので、その辺が魔術師の腕の見せ所である。
通常、魔術師の展開する術式は常人の目には見えないが、発動体の譜面は見えてしまう。おおむね、本人にしかわからないように偽装されているので問題ないが、難しいからといって丸まるカンニングしようとすると全てばれてしまうので要注意である。
発動体は、往年は箔をつけるために杖が使われたが、現在は術式の軽量化が進んだことと形態性を重視し、小さな宝石型をしているものが多い。最もポピュラーなのは、一万年前に異星から持ち込まれたイデアクリスタルである。

●魔術師協会(Sorcerer association)
通称SA。魔術師の統括組織。各国各地域にそれぞれ独立した組織を持つが、通常SAといえばロンドンの魔術師協会を指す。本国の他、新大陸の一定地域を管轄下に置く。
藤宮翡美華はSAの登録術者である。


●国際魔術師協会(Federation Internationale de Sorcier Association)
通称FISA。世界中の魔術師協会を管轄する組織。現在の本部は物質界とアストラル界の間にある「バビロンの空中神殿」に置かれ、魔女王ヘカテがトップに君臨している。


▼象徴機械(アイコン)
起動装置であり雛形でもある"サーキット"と、装甲・武装である"シェル"。中枢である"カーネル"で構成される。さらに、主人の素質に合わせた強力な特殊能力を持つ。
魔術師の力の象徴。魔術師の魔力を鍵に顕現する戦闘機械。機械仕掛けの使い魔ともいえるが、動力と能力が主人である魔術師と直結しており、その力を形を変え増幅し行使する。魔術師が最大の術を行使するためのマルチプライヤーである。
その性質上、魔術師ひとりに象徴機械は一体のみである。
ダメージを受けた場合、損傷に応じて主人の魔力が失われる。MPの涸れた魔術師などただの人である場合が多いので、結構致命的である。だが基本的に、術者が生きている限り象徴機械も不滅である。
制御プログラムは魔術師の編む術式によるが、象徴機械の活躍想像図を思い描くことにより操られるため人型であったりキャラクター性の強いデザインとなる事が多い。また、見立てにより一点のパーツに複数の機能を持たせることも可能(排気筒⇔砲など)。翼っぽいものを背中につけることで飛行もできるが、その翼はとくに揚力を得る仕組みになっていなくても飛べそうに見えれば良い。


▽サーキット=イデアクリスタル
"発動体"の一種。宝石のような外観をしており、象徴機械の起動キーにして雛形。これに魔力を注入することで象徴機械のカーネルが形成される。また、シェルのデータを書き込むことでシェルの形成も行われる。さらに、制御の為の演算装置も兼ね術者の命令を受け取る。これに魔力を送り込み続けることより、象徴機械は構造を維持し行動することが出来るわけである。
シェルが複雑化すれば、データ保存と演算のための領域をより大きく必要とするため、サーキットのサイズは大型化する。人間大で特に追加装備の無い状態なら、ペンダントに仕込める程度だが、手の込んだ装備を仕込めば仕込むほど大きいものになり、携帯や秘匿が困難になる。さらに、データ量が増せば実体化により時間がかかるようになる。
他の魔術師のサーキットを起動しようとした場合については、カーネルの項で。

▽カーネル
象徴機械の本体にして力の根本。構造維持材とモーターを兼ねる。基本となる骨子は全ての象徴機械で共通だが、それ以外の形質は個体ごとに異なる。魔術師の素質によってランダムに形作られる為、完成するまで特殊能力の予測はつかないし、計画的に製造することも出来ない。また、カーネルだけは改変することも出来ず死ぬまでずっと同じ象徴機械を使い続けることになる。他のサーキットを使っても出来るものは同じである(記録されているシェルのデータは場合にもよるが概ね使用可能)。
特殊なエネルギー体なので、通常は魔術師以外にはその構造を見ることは出来ない。これを破壊できるのは、魔術かそれに類するものによる攻撃のみである。

▽シェル
象徴機械の装甲・武装を形成する。
カーネルと同じ形状で、それを覆うように形成られた中空の人形。西洋甲冑のようなもの。間接はただ紐やボルトで繋がっているだけで、これだけでは糸の切れた操り人形のようなものである(ロック機構がついている物もある)。この中でカーネルが形成されることによって、象徴機械が起動する。
象徴機械のカーネルは物質世界では数分しか実体を維持できない。さらにむき出しでは当然相手に構造が丸見えになってしまい、能力や力の程がバレてしまう(高性能なカーネルほど精緻精巧なつくりになっていることは言うまでもない)。
そのために内部にエウェストゥルムを満たすことで稼動時間を延ばし、また目隠しともする為に作られたのが最初。こちらは追加でデータを書き込むことも可能なので、今では、象徴機械の能力を強化する為に様々な仕掛けが施されている。
シェルは物理的攻撃で壊すことが可能なので十分な強度が必要である。カーネルまで破壊されずとも、シェルの機能を損ねるほどのダメージを受ければ概ね行動不能となるため、一般的な兵器でも対処が可能となる。シェルを活用すれば強力な力が行使できる反面、シェルに頼るほど打たれ弱くなってしまうのである。
シェルの性能も象徴機械の力を左右するので、これこそ魔術師の腕の見せ所と言える。

後付の武装は象徴機械の能力に合わせて作られ、エクステンドやアディッショナル・シェルと呼ばれる。こちらは、常に実体で普通の機械と同様で、転送術によって召還される。サーキットの大型化に歯止めをかけるためにエクステンドを使うのがセオリーだが、半端な物を作ってもすぐに壊されるだけなので、当然それなりの技量が要求される。
いちおう、他人が作ったエクステンドを起動することも出来るが、相性や性能格差などで動かないことが多い。下位互換はできるが上位互換は不可能である。


▽電脳シェル
象徴機械がイデアクリスタルの力で実体として存在できるように、これをコンピューター上のデータとして存在させるシステム。
クリスタルを専用のシェルアダプターにセットしパソコンに接続することで、象徴機械はPC上のアプリケーションとなる。
象徴機械の操作は平常と同じく術者の思考とイメージによる。既存のアプリケーションをエクステンションとして使わせることが出来、ネット上の"ノイズ"に対抗するためのツールも開発中だ。もちろん、マシンパワーに余裕があれば象徴機械を操作しながら他のタスクをこなすことも出来る。
現実世界でのアディッショナルシェルに相当するのが後付のツールとマシンパワーの割り振りである。術者の魔力もさることながら電脳シェルでは使用するマシンのパワーが重要で、ハイスペックマシンであればあるほど強大な力を発揮することが出来る。


■魔術師の敵
魔術師の最大の敵は魔術師である。
だが、平時の駆除対象は存在する。野良象徴機械とでもいうべき"ノイズ"である。
▼ノイズ
実体のない存在。エウェストゥルム結晶体。
何かの拍子に物質世界に残留したエウェストゥルムの塊が人の精神に触れることでキャラクター付けされて発生し、その性質上、人目につくごとに成長していく。人が持つイメージが実体化していくという点では象徴機械に近いが、誰の制御下にもなくウィルスや特殊なタンパク質のように自律的かつ機械的に活動するのが最大の特徴。
勝手に存在するエウェストゥルムは物質世界の平静を乱す雑音でしかないため、"ノイズ"と呼称されるようになった。
大抵のモノは人の多く住むところで発生し、それゆえに悪質なものへ育ってしまう。また、どのように育つのかも予測できず、場合によっては世界を破壊に導きかねない。
ウィルスのように振舞うが増殖はせず、自己進化を目的としている(進化の結果としての増殖はありえる)。また、質量はあるが実体を得ているわけでは無いので、通常の武器では傷つけることさえ出来ない。
○ハウ
単純な形態のノイズ。この段階では不定形な雲のようなもの。クラゲ程度には知能があるようで、危険を察知すると逃げる。とりあえずは誰かに認識してもらわないことには話にならないので、そのように動く。
その形態上、暗がりなどで鬼火などとして認識されることが多い。
○バズ
ハウが幾つか重なり合うか、または成長により多層化することにより形成された状態。様々な器官が形成され、知能も持つ。
自らの存在を更に確固たるモノにするため、与えられたキャラ立ちに相応しい行動をとる。つまり、大抵の場合は人を襲うなどの悪さをする。そのようにして多数の人間に認識されればされるほど、力を増大させることができるのである。
※妖怪や古い魔物との違い。
妖怪や魔物はアストラル界からの移民が形を得たモノ。形を得る過程でノイズと同様に人の無意識を利用しているが、定住しているモノは自然の一部としての地位を確立しており、また一過性のモノはあくまで客でありすぐに元の世界に帰るので、ノイズのように存在自体は害にならない。
●スポット
ノイズの発生源。冥府魔王の死骸が埋まっているところは冥府の瘴気によりエウェストゥルムが発生しやすくなっている。

◎ホール
冥府魔王の死骸が異世界への門となってしまっているところ。”山落し”で冥府魔王を生き埋めにしたところに多い。こうした箇所はゴブリンやコボルト、さらに強大なモンスターの巣となってしまっているところがあり、人間との勢力争いが日々展開されている。
各コミューンの管轄する州軍や猟友会とともに魔術師協会も戦力を派遣している。


◎アンユージュアル・ビーイング/異能者
天然の魔術師と言うべき血脈で、なんらかの魔術式を遺伝により行使できる。先祖が魔物または神などの、なんらかの特殊な生まれに起因する家系である。
ときおり先祖返りを起こす。


◎マイシカル・ビーイング/半神、亜神
異能者の血筋からの先祖返りや、先の大戦の影響により高位の霊的存在が受肉し現世に現れたもの。
神通力/ディバインパワーと呼ばれる、極めて強力な特殊能力を有する事が多い。またアヴァターラという自らの力の化身を作り出すことができる。
神の子ということで El Nino または La Nina とも呼ぶ。
基本的には、魔術師協会に出生を探知され緩やかな監視がしかれ、場合によっては保護される。
※藤宮家の場合は始祖が金毛九尾妖狐であり、その子孫は代々魔術師として暗躍していた。ときおり血の濃い者が異能者として覚醒し、さらに数百年に一人くらいのペースでマイシカル・ビーイングを生み出している。


●藤宮璃音

●マスタークーイン



◎意識体/アストラル体
肉体を持たない精神だけの存在。物質世界とアストラル界を自由に行き来できる。アストラル界はイメージの力がすべてを左右するため、行き先をイメージ出来れば瞬時に移動可能なのでどこへでもいけてしまう。
意識体は霊的存在を知覚する能力がある人間でなければ知覚することが出来ない。物理的障害で阻むことも出来きず、通常の武器でダメージを与えることも出来ない。対応はもっぱら専門の魔術師などに任せられる。
能力としては人の精神に干渉することができ、場合によっては完全に乗っ取ってしまうことも可能。それなりの力があれば、特殊能力のない人間の視覚や聴覚に干渉できる。
異能者、魔術師、マイシカル・ビーイングの能力をもっている場合は物理的な力を行使することもできる。



モドル
INDEX