しばらくのあいだ、井戸のそばでケープペンギン君はぽつんと一羽でまっていると、向こうからぼっちゃんがやってきた。たくさんのバオバブの苗木をかかえて。よく見ると、背中にも苗木をいっぱいしょって。

「いったい、どこから運んできたの?」

「そんなのかまいやしないよ!早く植えようよ!!」

ケープペンギン君はぼっちゃんにそういわれるがままに、井戸の周りにバオバブの苗木を植えたんだって。すべて植え終わると、

「これでよし、やっと終わったね」

ってぼっちゃんは汗をぬぐいながらいった。ケープペンギン君は、

「いや、まだ終わっていない。アルオウディア・プロケラっていう木もいっしょに植えないと…自然にはバオバブの木だけ生えている森なんてないからね。ぼく、苗木をここへもってくるよ…それにはまず飛行機をなおさないと」

って複葉機の修理にもどっていったんだ。ケープペンギン君がモーターを修理しているとき、ぼっちゃんはバオバブの苗木に水をやったりケープペンギン君のそばによって修理の様子をながめたりしていたんだ。そうして、やっと飛行機がなおったんだ。

「アルオウディアの苗木をもって必ずもどってくるよ!」

っていいのこして、ケープペンギン君はその場から去っていった。

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