「そんなことかまいやしないよ。ね…ヒツジの絵をかいて!!」

ってぼっちゃんがたのんだ。ケープペンギン君はわけもわからず、紙にエンピツでヒツジの絵をすらすら上手にかいたんだ。だってケープペンギン君は前にジャイアントペンギンさんの銅像を建てたことがあるくらいだから絵もうまいんだよ。ぼっちゃんが、

「この前たのんだヒトよりはペンギン君、キミのほうがよくかけてるよ。…実はぼくお願いがあるんだ。60年くらい前にこの星に来たことがあるんだけれど、その時にぼくは間違ったことをそのヒトにいっちゃったんだ。そしてそのヒトはなんとその間違ったことを『星の王子様』っていう一冊の本の中で書いて世界中で出版しちゃったんだよ。それでここの人たちは間違ったことをしてるってきいてね…だからペンギン君!キミにそれを正してほしいんだ」

っていったんだ。

「間違えたって…どんなこと?」

「それはバオバブっていう木のことなんだ。昔、ぼくはそのヒトにバオバブは悪い木だから追いはらわなければいけないっていっちゃったんだ。そのせいでこの星の人たちはバオバブの木を引き抜いたり、焼き払ったりしてバオバブの森をこわしてその跡にサイザルやサトウキビを植えているって風のうわさできいたんだ。だからぼくはそんなことをやめてもらおうとあわててこの星にやってきたんだよ!バオバブはちっとも悪くないっていいにさ!」

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