「そっ、そんなことないよ!うわっ!たっ、助けてくれ〜い!」
「えっ、なにを助けてほしいの?」 「いやっ、そうじゃなくて…アデリー君何とかしてくれよ!」 ってマカロニ君にいわれたけれど、おいらはフンボルトさんを止めることができなかった。おいらとコガタペンギン君はフンボルトさんが持ってきてくれたポプラの苗木を植えたんだ。そのあいだフンボルトさんはハネジロちゃんのお見舞いそっちのけで、ずっとマカロニ君のことを追いかけてた。マカロニ君もたいへんだな! ポプラの苗木はグングン大きくなったよ。ひょっとしたら、おいらたちが土を洗うのに使った石けんがこやしになったのかもしれないな。いつしかハネジロちゃんの巣のまわりにはポプラの林ができたんだ。土にしみこんだ農薬はポプラに吸い取られてなくなっちゃった。ハネジロちゃんの農薬アレルギーが治って、顔のぶつぶつもなくなったんだ。また、元気な姿をコガタペンギン君やほかのみんなに見せてくれたんだよ。コガタペンギン君もハネジロちゃんも、それはもうよろこんでね…。
おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。ハネジロちゃんの巣のまわりではあんまりいっぱい農薬をまかないでね! |