「この先大丈夫かい?もう苦しそうだけれど…」

「大丈夫ですよ!てっぺんまで登ってしまえば後は下りで、ブレーキをかけながら降りてくればいいんだからさ!うんせ!うんせ!!」

 ところが、カラス君は峠まで達することができなかったんだ。太っちょのペンギンが二羽も乗ったらさすがに重いよね!カラス君は精一杯おいらたちが乗ったトロッコを押してくれていたんだけれど、ものすごく大変そうだった。見るに見かねたおいらとおじさんは客車から降りて、車丁のカラス君といっしょになって空のトロッコを押したんだ。おいらたちはお客さんなのに…。カラス君はすまなそうに、

「悪いねぇ!」

っていっていた。それでもなんとか、えっちらおっちらおいらたちは峠までやってきた。そこからおいらとヒゲペンギンのおじさんは再びトロッコに乗りこんだ。カラス君はトロッコの後ろにつかまってブレーキを操作しつつ山を下った。しばらく山を降りると、だんだん客車のスピードが増していったんだ。おいらはなにげなく後ろをふりむくと、なんと車丁のカラス君は気持ちよさそうに居眠りをしていたんだ!!おいらはカラス君を起こそうとしたんだけれど、なかなか起きてくれないんだ。

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