そのあいだにもおいらたちのトロッコはどんどんスピードを上げてとうとう遊園地のジェットコースターに乗っている感じになってきちゃった!このままじゃ脱線してどこかへすっとじゃっていっちゃうと思っていると、ヒゲペンギンのおじさんが、

「起きろ!このボケガラス!!」

って大声で叫んだ。それで車丁のカラス君はやっと目が覚めて、あわててブレーキをふんだんだ。トロッコは止まり、おいらたちは事なきを得た。でも丁度このとき、たまたま渡り鳥が上空を飛んでいたんだ。

「“ボケガラス”だってさ!ペンギンてのはヤクザな鳥なんだな。お〜お!こわい!!こわい!!」

っていいながら飛び去っていった。これ以後、カラス君は慎重にブレーキをかけて山を降りたんだ。終点に着くと車丁のカラス君は危ない目にあわせてすまなかった、っておいらたちに謝ってくれたんだよ。そうして軽便鉄道の終着駅から歩いて木を植えるボランティアのキャンプにやっとたどり着いたんだ。

 

 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。鉄道の旅っていうのもいいものだよ。

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