「それでは、みなさんの中の誰かにこのカードを一枚引いてもらいたいのですが…あ〜あ、そこのペンギン君！キミが引いてくれないか？どれでもいいから、この中から好きなカードを一枚」

っておいらはたのまれた。黒鶏にいわれたとおり、テーブルの上のトランプを一枚引いたんだ。

「それですね！まだそのままふせておいて。私はふりむくから、私にはわからないように引いたカードをみなさんと一緒に確認して、その後どこでもいいからそのカードをほかのトランプにまぜてもどしておいてください。それじゃあ！私はうしろをむいているから…」

おいらは引いたトランプを見た。それはスペードの“８”だった。それを黒鶏以外のみんなに見せたんだ。それからそのカードをテーブルの上のほかのトランプの中にもどした。黒鶏はふりむいたまま、

「ペンギン君、ついでにトランプをたばねてかるく切ってからテーブルの上にふせておいといてくれなかい」

っていたんだ。おいらはいわれたとおりにしたんだ。そして、

「テ−ブルの上においたよ」

って黒鶏に伝えた。