あとでわかったことだけれど、ヒゲペンギンのおじさんは駅であれだけたくさん買いこんだお酒を飲みつくしちゃったんだって!それでも足りなくて、なんと列車内の売店でウィスキーやワンカップを買って明け方までひとりで飲んでいたんだってさ。

朝、起床の車内放送で目が覚めた。カーテンを開けると朝日がまぶしかったんだ。昨日とはぜんぜん違う風景が車窓にはあった。おいらは洗面所で顔を洗って、車内販売でサンドイッチとオレンジジュースを買って、サロンカーへいった。そこで海から遠くはなれた荒涼とした大地をながめながら朝ごはんを食べたんだ。しばらくのあいだサロンカーでくつろいでからおいらのコンパートメントにもどったんだ。けれど、おじさんが寝ている下段ベッドのカーテンは閉じたまま…。仕方なくおいらは通路へ出て補助席にすわって外をながめていた。ヒゲペンギンのおじさんはなかなか起きてこなかったんだ。そうして、とうとう一時間足らずで終点っていうところで、たまりかねておいらはおじさんのベッドのカーテンを開けたんだ。おじさんは目を覚ましていた。けれど、真っ青な顔をしていたんだ。

「おじさん!体の具合が悪いの?」

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