「ねえ!深海に住む魚って見た目が“いかつい”のが多いよね」

「深海は太陽の光がわずかしかとどかないし、食べ物が少ないから、目や口を浅海のものより発達させたものが多いんだよ」

「リュウグウノツカイだって銀色でピカピカしていて、朱色の背びれがきれいだけど、顔はごついよね!」

「そうだね、リュウグウノツカイがあれなんだから、竜宮城っていうのはホントはバケモノ屋敷かもしれない」

「けど、むかし浦島太郎っていう人は、竜宮城はすばらしくて何十年もそこにいたっていうよ…乙姫様がすごくきれいなんだって…」

「それは浦島太郎の美的センスに問題があったのかもしれない。実は浦島太郎はゲテモノ好きだったりして…」

「乙姫様は口裂け女だったかもしれないね!」

 イレズミクジラウオやシンカイエソっていう、見てくれはあんまりお友だちにしたくないタイプの魚が観察できた。ジュウモンジダコっていうタコはダンボみたいな大きな耳のようなヒレをもっているんだ。大きなヒレをばたつかせて泳ぐ姿はほかのごつい深海の生き物たちと比べてかわいらしかった。そうこうしているうちに、深海九千メートルにたどりついた。そこにはクマナマコっていうナマコやヨコエビっていうエビがたくさんいた。クマナマコは八本足でちょこまかよく動くんだ。おじさんが、

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