「やあ!ヒゲペンギン君それにアデリー君。深海潜水調査船“ホランド号”へようこそ!ホランド号は深海一万メートルまでだいたい2時間でいきつけるんだ。われわれペンギンは王様やコウテイペンギンさんでも水深700メートルくらいまでしかいけない。それよりももっと深いところにはまだ知られていない生物や、マンガン塊やメタンハイドレードと呼ばれる資源なんかがたくさんあるといわれている。それを調査するためにホランド号は開発されたんだよ。水中にもぐっていられる時間は連続24時間。なんと20時間も水深一万メートルの深海にいられることになる。それを可能にしたのがワルターエンジンと燃料電池の組み合わせなんだ」

「博士、ホランド号の前にくっついている、手みたいなのはなんなの?ほら、マジックハンドみたいな…」

っておいらは質問した。

「あれはマニピュレータといって、船の中から操作して海底の石をひろったり生き物を捕まえたりするんだよ。なにしろ深海一万メートルといえば一千気圧の水圧がかかるから、そこでペンギンは調査船の外に出ることはできない。もしもそんなことをしようとすればすぐにぺしゃんこだよ。だからホランド号の中にいながらにして外のものをつかむことができるマニピュレータが必要ってわけさ」

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