するとジェンツー君が、 「へぇ!コウテイペンギンさんでもダジャレをいうんだね…まっ、ダジャレのセンスはボクには遠く及ばないけれど」 っていったんだ。この難局にも気にせず、コウテイペンギンさんははなし続けた。 「“南極号”の気のうには水素やプロパンガスっていう爆発性のガスをつめていた。それにガソリンエンジンを載せていたのだから、今思えば、かなり危なかったのかもしれない。次に建造したのがご存知“エンペラーツェッペリン号”だった。これにははじめて燃えないヘリウムを気のうにつめた。当然“黄色い散歩号”にもヘリウムを使っている。実はヘリウムを集めるのはすごく大変なことなんだ。何といってもヘリウムは地中からでてくる天然ガスに数パーセントしか含まれていないからね。そこからヘリウムを取り出すのがまた大変だし…でも、月にはたくさんのヘリウムがあるといわれている。太陽風に乗ってやってきたヘリウムが月面上には、月が誕生して以来、40億年分たまっているんだ。それを使えるようになれば、もっと飛行船は手軽に利用できる乗り物になるだろう。さっきもいったけれど、“黄色い散歩号”にはソーラー電池パネルが貼り付けてある。飛行船は嵐の日には飛び立てない。それは今も昔もかわりはしない。飛行船が航行するのは自ずと天気のいい日に限られてくる。 |