「“黄色い散歩号”もそうだけど、コウテイペンギンさんが造る飛行船はどれもそんなに大きくないよね!」 っておいらはいったんだ。 「“黄色い散歩号”は全長20メートルにも満たない、わたしにとって三隻めの飛行船。もともとわたしはカモメやユキドリが気持ちよさそうに大空を飛んでいるのをみて、わたしも自由に飛びたい…散歩するように空を飛びたいと思ったんだよ。われわれペンギンは確かに水中を飛ぶように泳ぐことができるけれど、トリなのに空へ舞い上がることすらできない。特にわたしは、ペンギンの中でも一番図体が大きいから飛ぶことに向いていないのかもしれない。そう思ったらひといちばい大空を散歩するように飛びたくなって飛行船を建造するようになったんだ。わたしの最初の飛行船は“南極号”だった。“南極号”は飛行船っていうよりも、気球にガソリンエンジンをつんでプロペラを取りつけたものだった。“南極号”は操船性がよくなかった。それでよく“南極号に乗って氷山に体当たりしたり、人間たちが設営した鉄塔や電線に引っかかったりしたものだ。“南極号”に乗るとよく難局にあたったものさ!な〜んてね」 |