「この前のテスト飛行では、最大で時速100キロ以上はでたよ。だが今回の旅では、あっちこっち寄り道してゆきたいんだ。もしも速く周りたいのだったら、飛行機やロケットを使えばいいんだ。あえて飛行船で世界一周するのだから、ゆっくり、のんびり、散歩でもするように道草しながらやってみたいんだよ。そんなにいそいであせってもしかたがないし…人間みたいに生きそいでもさ」

「“黄色い散歩号”っていう名前にはそういう意味がこめられているんだね!」

っておいらがいうと、イワトビ君が、

「それなら日本へ寄って、犬のシロの様子を見てきてよ」

ってたのんだ。

「あ〜あ!そうしよう」

おいらは、

「旅のとちゅうでマゼラン君と会えるといいね!」

っていった。

「マゼランとはボルネオのオランウータンの保育園で落ち合うことになっている」

「オランウータンの保育園!!オランウータンのみなしごたちはみんな大きくなったのかなあ!でもオランウータンの子供たちには気を付けて…あの子たちの前で油断していると、赤道直下のジャングルでおしくらまんじゅうする羽目になるかもよ」

「それじゃあ、オランウータンの子供たちには気をつけるとしようか」

つぎへ、

HOME