「あ〜あ、予定では50日間くらいかけてね…これからここ南極を出発して北極点目指してひたすら北上する。北極点にたっしたら、シロクマにあいさつして、そのまま直進してここへもどってくるコースを考えているんだよ」

「こんなに小さな飛行船で大丈夫なのか?」

って王様がたずねた。

「な〜に、心配はいらない!この飛行船“黄色い散歩号”にはソーラー電池パネルが貼り付けてある。それで発電した電気でモータをまわしてプロペラで前進するんだから、ガソリンみたいな燃料はいっさいいらないし、食べ物もいった先々でその土地のものを食べてみたいし、いざとなったら海にもぐって魚でもつかまえるさ。もっていく荷物はほとんどないんだよ。だから、この小さなひとり乗りの“黄色い散歩号”でも世界一周できると、まあ、そういう心づもりなんだよ」

「世界一周に50日もかかるのなら、その“黄色い散歩号”はあんまり速くないんだね」

ってロイヤルペンギンさんがいった。

つぎへ、

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