『砂漠に木を植えたペンギン』

わしは老いぼれフクロウ。長年、砂漠に木を植え続けているのじゃ。

 この度、木を植える活動を手伝ってくれるボランティアを世界中の鳥たちに募ったのじゃ。わしは六十年ものあいだ、ここの砂漠を森にするべく、ずっと木を植えておる。このかん、いっしょに木を植えてくれる仲間ができ、その数も年を追うごとに増えてきた。だが、わしらの仲間だけではここの砂漠は広すぎるし、わしももう年だし…。おかげさまで、わしらを手伝ってくれるという鳥が世界中から集まったんじゃ。フラミンゴやガラパゴスコバネウそれに雷鳥。彼らは真摯にわれわれの活動を手伝ってくれた。けれど、予想外のことも起こったんじゃ。それは“招かれざる客”とも呼べるような輩までやってきたことじゃ!ひとくちに鳥といっても、世界中に鳥はおるから、おとなしい性格、うるさいヤツ、親切な鳥やそうでないものまでいろいろじゃ。なんといっても世界は広い。わしは御年78になるが、今まで生きてきて会ったことも見たこともない鳥たちが実のたくさんいることに驚かされた。ことに南極のペンギンとは縁がなかったんじゃ。わしは、ペンギンという鳥はおとなしいと漠然と思っておった。

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