面白いことをしているペンギンっていうのはなんとマゼラン君のことだった。マゼラン君は魚を追いかけてた。
「ねェ、マゼラン君!なにをしてるの?マイルカ君たちと魚の早食い競争でもしてるの?」 「やあ、アデリー君!そんなことはしていないよ…魚をむこうの巻き網に追い込んでいるところなんだよ」 「むこうの網って、あれは人間がしかけた網なんじゃないの?人間たちがやってる漁を手伝ってるの?」 「その通り!ある人の手伝いをしているんだよ」 「マゼラン君!どうして人間の手伝いなんかしてるの?なにもアイツらの漁の手伝いなんかしなくったって、ちかごろじゃ、いっつもペンギンが食べる分の魚まで根こそぎたくさんとっちゃうじゃない!おいらたちペンギンも食いしん坊だけど、人間ときたらまったくよくばりなんだから、自分たちが食べる分よりも多くよけいにとってちゃうんだから…」 「前よりも多くとか、ほかの人間よりも多くとかって考えちゃうと、人間たちはきりがなくなっちゃうんじゃないのかなあ〜だからどんなに多くとっても満足できないんだよ!人間ってホント何が楽しくて生きてるのやら…つまんないことで争ったり、ケンカばかりして…ボクたちペンギンみたいにもっと肩の力をぬいておおらかに生きればいいのにね」 |