『パパになったペンギン』

 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。

 

 コガタペンギン君がコアラの赤ちゃんをひろった!っていううわさをききつけた。さっそく、おいらはそのうわさを確かめるため、コガタペンギン君がいるフィリップス島へいったんだ。

「コガタペンギン君!コアラをひろったってホント?」

「ホントですよ!ほら」

ってコガタペンギン君は卵を温めるように抱いていた袋に入ったコアラの赤ちゃんを見せてくれた。コアラの赤ちゃんは白い袋から顔だけだしていた。

「うわー!まだちっちゃい赤ちゃんコアラだねぇ。ところでどうしたの?そのコアラ?」

「数日前、道ばたでこの子のお母さんが車にひかれてたおれているのを私めがたまたま見つけたんです。けれどお母さんはすでに虫の息で助けることができなかったんです。お母さんが亡くなる寸前に『袋の中の子をお願いします!りっぱにひとり立ちできるまで…』ってお願いされちゃったんですよ!お母さんの袋の中でこの子はピーピーいって泣いてたんです。こんないちっちゃい赤ちゃんコアラをそのままほうっておくわけにもいかないから、私めがひろい出して育てることにしたんですよ」

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