「ところがそうでもないんだよ。ペンギン君、キミもいっしょだと思うけどボクらは毎日、オキアミやお魚を食べてるよね…そのオキアミやお魚にわずかだけどダイオキシンやPCBが入っているんだ。オキアミやお魚は海の中に住んでるからね。ボクらがオキアミやお魚を食べるっていうことは同時にダイオキシンやPCBをも食べてるってことなんだ。しかもそれらがボクらの体の中にたまっていくんだよ!毎日、毎日。体にたまったダイオキシンやPCBが多くなると、それがもとで病気になっちゃうんだよ。それで死んじゃうこともある。さっきボクがいった、カスピ海のアザラシがまさにそうなんだよ!ペンギン君、キミの体の中にもダイオキシンやPCBがたまってるんだよ。だってちょっと前に人間たちは自分たちが作り出したダイオキシンやPCBが北極や南極で見つかったっていってびっくりしてたからねぇ」

「おいらにもダイオキシンやPCBが?!」
「人間がダイオキシンやPCBを作ってばらまいていたところは、北極やとくに南極からはたとえばここみたに遠く離れてるんだ。それに人間たちは北極や南極にはダイオキシンやPCBは見つかるはずがないとずっと考えていたんだよ。でもよく調べてみると、北極や南極の生き物からダイオキシンやPCBが見つかってびっくりしてたんだよ!人間たちにびっくりされてもボクらはこまっちゃうんだけど…だって、人間たちが勝手にダイオキシンやPCBを作り出してるんだからさ!そのことをここにいる人間たちにわかってもらいたいから、ボクはここにきた。とくにここにいる日本人っていう人間たちは、“のどもと過ぎれば熱さ忘れる”なんていう諺があるくらい忘れっぽいからね!」

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