「ホントだね!人のうわさも七十五日とか、よきもあしきも七十五日っていうのもあるけれど、それもウラを返せば2ヵ月半でなんでもきれいさっぱり忘れちゃうってことだよ!まったく、さみしいやら、呆れるやら…」

「やっぱりボクのことも2が月半で忘れられちゃうのかなあ!」

「そうかもしれないね…そしてここの人間たちは挙句のはてに“歴史は繰り返す”なんて嘆いてるんだよ。忘れちゃえばおんなじことを何度でも繰り返しちゃうのは当たり前のことなのにね!」

「ホントだよ!ここの人間たちは銅の鉱毒からはじまってシアンや有機水銀、カドミウム、ヒ素、ヘドロや油って何度も似たようなことを繰り返してるんだ。それでもあいかわらず、この川を泡ブクだらけにしたり、いろんなゴミをすてたりしてるんだから…結局のところぜんぜんわかっていないんじゃないかと思うよ!天災は忘れころにやってくるなんていうけれど、ここの人間たちにとっては人災も忘れたころにやってくるんじゃないの?ここの人間たち自身がやってきたことなのにねェ」

「それにしても人間っておもしろいよね。数千年前のことを根に持って戦争したかと思えば、昨日やらかした大切なことをすぐ忘れるんだから…」

「でもそのあおりをくうのは人間以外の生き物なんだ」

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