「そうだよ」

「ここに帰ってきたのは、このフェゴ島のどっかに宝物がうまってるからなんでしょ?どんな宝物なの?」

「それはいえない…掘り当ててからのお楽しみさ!!」

 マゼラン君は二本のL字型の針金を両方のフリッパーに持って、”ダウジング”をして、宝物がうまっているところをさがしはじめたんだ。針金の先を真っ正面に向けて、目をつぶってしずかに歩きだした。数分とたたない内に、針金が横にふれたんだ。そのときマゼラン君が、

「ここだ!」

といって、スコップで地面を掘りだしたんだ。どんどんふかく掘っていった。それが三日もつづいたんだよ!おいらも掘るのを手伝おうかと思ったけれど、そういうふんいきじゃなかったな。

 プシューってとつぜん、掘ってるところから水がふき出した。水がじゃんじゃん出てきて、とうとう小さな池ができちゃったんだ!池から湯気がモワモワただよってた。おいらとマゼラン君は池のふちでしばらくそれをながめていると、ヒゲペンギンのおじさんがとおりかっかたんだ。おじさんは、

「おや!アデリー君!こんなところでなにしてるんだい?あれ?こんなところに池があったかな?」

おじさんは池のふちにしゃがんで片方のフリッパーを池につっこんだ。

「やっぱり…」

おじさんはそういうなり、ジャボ〜ンって池に入ったんだ。

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