「えっ!おいら歌なんかあんまり歌ったことないからうまく歌えるかどうか…」

「下手でもかまわないさ!クジラのパーティーには歌がつきものなんだからさラア〜ラ♯」

「それじゃあ、歌っちゃおうかな?」

 おいらは大きな声で歌ったんだ。ホントに歌うのなんか久しぶりだからはじめはきんちょうしちゃった。大勢のクジラたちがきいてたからね。でも一所けんめい歌ったんだ。歌い終わるとそこはまるでクジラなんか一頭もいないんじゃないかと思うくらい静まり返ってたんだ。

「今のおいらの歌はどうだった?」

ってそばにいたザトウ君にきいた。

「えっ?どうだったって…そっそれは神経にさわる、イヤ、神経を逆なでするじゃなくって、神経をゆさぶられる歌だったよ。フーッ、とにかくペンギン君、キミには負けたよ♭」

 遠くの方でホッキョククジラが

「シロナガスのおやっさん失神してるぞ!」

ってさけんでるのがきこえてきた。

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