「えっ、人間が!!なんでまた人間が干潟を守ってるの?」

「そんなのわかんないよ。ボクたちにはありがたいけれど…けど、もともとは人間たちがほかの干潟や湿地をどんどん埋め立ててこわしていったんだよ!だからせめてここぐらいは残さないと…って思ったんじゃないの?罪ほろぼしのつもりかなあ?でも干潟や湿地っていうのは、そのむかし海岸や湖だったところに、まわりから土砂なんかが流れ込んできて、だんだん埋まってきて、沼になり、そうしてやっと干潟や湿地になるんだ。やっとできあがった干潟や湿地もやがては完全に埋まって、草原や林になっていくんだよ。そうなるにはふつう数百年くらいかかるんだけど…つまり干潟や湿地っていうのは長い年月がたつと自然になくなっちゃうものなんだ。だからここも数百年後には干潟じゃなくなってるはずなんだ!そのかわりに数百年後には、今、湖なんかのところが湿地になってるはずなんだ。人間たちが干潟を守るっていったって、これから先どこまでやってくれるのやら…それよりも、もとはといえば人間たちが干潟や湿地を数年のあいだに埋め立てちゃうから、おかしなことになっちゃうんだよ!どうして人間って自然に逆らおうとするんだろうね?」

「人間ってホントにバカだよね!自然をこわさなければ、それを守らなくてもすむのに!まず、自然をこわすのにエネルギーを使って、それで今度は反対にそれを守るのにまたエネルギーを使って…それでいてエネルギーが足りないなんていってるんだから、まったく人間って救いようがないよね!」


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