『南下したペンギン』
「おいら、ミツバチじゃなくてペンギンでよかったよ!」 っておいらはロイヤルペンギンさんとはなしていると、 「あんた!そんなところでサボってないで仕事をしなさいよ!仕事は山ほどあるんだから!」 ってフンボルトさんが叫んだ。 「フンボルトさんたらペンギン使いが荒いんだから…」 菜の花畑が花を咲かしてあたり一面、黄色一色になった。ロイヤルペンギンさんの巣箱の巣門からはたくさんのミツバチたちが忙しく出入りするようになったんだ。たった一匹の女王蜂のためにみんな働いているのか、と思うとおいらはなんだか働き蜂のことが他人事には思えなくなっちゃったよ。 そして…あくる朝。ロイヤルペンギンさんが巣箱から黄色い蜜を採ったんだ。コガタペンギン君はパンケーキを焼いてくれた。フンボルトさんにはナイショでね。けれど、フンボルトさんはパンケーキと蜂蜜の香りをかぎつけ、やってきた。 |