『南下したペンギン』
「そんなもの食べようとして!天ぷらがあまっているのよ!天ぷらが!」 ってはじめはいっていたんだけれど、 「たまにはパンケーキもいいかもね…」 っていって、おいらたちのなかに入ったんだよ。やわらかな春風の中、きれいに咲いた菜の花を目の前においらとロイヤルペンギンさんとコガタペンギン君そしてフンボルトさんもいっしょにパンケーキに採れたてのあま〜い蜂蜜をたらして食べたんだ。すご〜く、すごく!おいしかったよ! やがて、ここの菜の花の季節は終わりに近づき、ロイヤルペンギンさんは花を求めてつぎの場所へうつることにしたんだ。夜中、ロイヤルペンギンさんはミツバチの巣箱をそっとZ−88に積みこんだ。そして飛行船で蜜の甘い香りをのこして南へ飛び立っていった。今日も天ぷら、明日も天ぷらのおいらとコガタペンギン君を置き去りにして…。 おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。ミツバチって働き者だよ! |