『南下したペンギン』

人間たちがまく殺虫剤には気をつけなければならないし、巣箱をミツバチにとっていつも居心地がいいものにしておかないと、ある日とつぜん、昨日までは数千匹、数万匹いたミツバチがきれいに一匹残らずすべてどこかへ飛んでいって、もう巣箱にはもどらなくなってしまうこともあるんだ」

「へ〜!むずかしいんだね」

「イヤ、そうでもないけれど、きちんと世話をしてやればいいんだ。ミツバチたちの社会は、たった一匹の女王蜂のために数千匹いや、数万匹の働き蜂が一生をささげるんだ。働き蜂は巣の中の掃除や巣そのものを作ったり直したり、花蜜や花粉の収集、場合によっては外敵と戦うこともある。女王蜂はローヤルゼリーを独り占めにして、しかもなんとそのローヤルゼリーを働き蜂に食べさせてもらっている…なんとも優雅な生活だ!」

「そりゃあ!女王蜂ってフンボルトさんよりも強力だね!」

「やっぱり“女王蜂”ってからにはね!」

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