『南下したペンギン』

おいらはアデリーペンギン。南極に住んでいる。

 

 ロイヤルペンギンさんは、移動養蜂をしているんだよ。“移動養蜂”っていうのは旅をしながらミツバチを飼って蜂蜜を集めることなんだ。場所ごとに花の咲く時期が違うこと、つまりは地域の季節差を利用している養蜂なんだよ。ここは南半球だから北から南へ開花の時期がおくれる。だから北から南へ花を追い求めて、旅をしながら蜂蜜を集めるんだって。飛行船に乗りながら…ミツバチの巣箱を携えて…。おいらは分けがあって菜の花畑を耕しているんだ。フンボルトさんとコガタペンギン君といっしょにね!おいらたちが作っている菜の花畑の菜の花はまだ花をつけていなかったんだけれど、北からロイヤルペンギンさんがやってきた。移動養蜂のために開発した飛行船、Z−88でね。ロイヤルペンギンさんは、

「アデリー君、コガタペンギン君、フンボルトさん、ここでしばらく養蜂をしていいかな?」

ってたのんだ。フンボルトさんが、

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