「人間のやることっていつものことだけど、よくわからないよね」

 おいらは、キャビアがたいへんってきいていても立ってもいられなくてチャラル海の様子を見にいったんだ。するとそこにフンボルトさんがきていた。なんとフンボルトさんは10発のミサイルを持ち込んでいた。おいらは、

「フンボルトさん!これから何を始めようっていうの?そんな物騒なものでさ!まさか、そのミサイルでアム・マーガレット川のダムを破壊しようっていうんじゃないよね?」

ってきいた。

「いくらなんでもあたしだって人の作ったものを勝手に壊そうとは思わないわ。このミサイルはね、チャラル海に注ぐもうひとつの川、シル・マーガレット川の上流の山・L2山に打ち込む予定なの。L2山はいま溶岩ドームができていていつ水蒸気爆破が起こってもおかしくないから、あらかじめ、溶岩ドームにミサイルで穴をあけて噴火のエネルギーを逃がしてあげるの。ついでにそのエネルギーでL2山のまわりの氷河をとかして、雪解け水をシル・マーガレット川に集めるのよ。シル・マーガレットに流れ込んだ雪解け水を、チャラル海に引き込もうってわけ。そうすればチャラル海は元に戻るでしょ?どう?壮大な計画でしょう!」

「なにもフンボルトさんがそこまでしなくても…」

つぎへ、

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