ペンギンみんなが感心していると、又次郎さんが、

「ここいらの海水はきれいなんだね!それじゃあ、ここに人間たちが出した汚い水がある。次にこれの結晶を見てみようか」

っていって、ふたたびマントの下から茶色くにごった水が入った小さなビンを取り出したんです。さっきとおんなじように小ビンの汚い水をスポイトで黒い箱に一滴たらしたんです。それから箱ののぞき穴をのぞくと、さっきの六角形できれいな結晶とはまったく別のなんだかぼやけていびつな結晶が映し出されたんです。

「さっきとぜんぜん違うでしょ…この箱でできる水の結晶はその水の状態を、たとえば、きれいか?汚れているか?といったことをよくあらわしているんだ。さあ、ここからがフシギなところなんだけれども、みんなで『この水がきれいになりますように!』って祈ってみよう…すると、どうだい、きれいな結晶になるんだ。さあ!みんなで祈ろうよ!!」

って又次郎さんがいうから、わけもわからずみんなで祈ったんですよ。そうしたら又次郎さんがゆったとおり、いびつな形の結晶がみるみるうちにきれいな六角形の結晶になったんです。

「信じられないな!」

ってケープペンギン君がいったんです。

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