アデリー君、保育園の引越しを手伝ってほしいんだ」
「いいよ」
ってなわけでおいらはマゼラン君についていってボルネオ島へいったんだ。ふだん南極にいるおいらには赤道直下の密林はものすごく蒸し暑く感じたよ。保育園にたどりつくと七頭のオランウータンの子供たちが木にぶら下がったりよじ登ったりしていた。どの子も目がくりっとしていてかわいらしかったんだ。その中の一頭がおいらのフリッパーにしがみついてきた。次いでもう一頭が首にまとわりついてきた。すると残りの五頭がおいらのまわりに集まって、なんとみんなでおしくらまんじゅうをはじめたんだ。赤道直下のジャングルの蒸し暑いなかで、おいらはおしくらまんじゅうをするはめになるとはおもってもみなかったよ。あわててその中からぬけだそうとすると、最初にフリッパーにしがみついてきたオランウータンが、
「ペンギンのお兄さん!キミはペンギンなのにおしくらまんじゅうがきらいなの?」
ってきいた。
「おしくらまんじゅうが好きか?きらいか?っていうんじゃなくて、こ〜んな暑いところでおしくらまんじゅうなんかするもんじゃないよ!」
「ふ〜ん、そういうものなんだ」 |