一週間くらい、あの髪形をしていたんだけれど、すこぶるみんなの評判がかんばしくなかった。小鳥のフィンチには笑われるし、海イグアナ君にいたっては私を見るなりびっくりして逃げ出したほどだ。これでは、さすがの私でもまずいと思ったし、なんだか髪がうっとうしくなってきたんだ。だから、髪をきれいさっぱり切って毛生え薬を飲むのもやめたんだよ」

「ふ〜ん、ところで博士は雷を集めているっていううわさがあるんだけれど、ホントに雷なんか集めてるの?」

「う〜ん…雷を集めているっていうか、雷をつかまえて、雷の電気エネルギーをフライホイールっていう機械に集めているんだな」

「雷をつかまえる?雷なんかつかまえられるの?」

「アデリー君、キミも避雷針は知っているよね。よく高い建物につったっ

ている棒だよ。雷は大体、高いものに放電するっていう性質がある。だから避雷針に落雷させてほかのもの、例えば避雷針のまわりの生き物とか建物とかを雷から守ろうとしているんだ。逆にいうと、避雷針で雷を捕らえてようとしているんだよ」

つぎへ、

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