作業を開始してしばらく…博士は、 「よし、できた!」 って、今度は細長い箱からシリンダーをとりだして2本をマニグエにセットした。そしてマニグエの“印刷”っていうキーを押した。すると紙に意味不明の文章が打ち出された。博士は別のシリンダーをマニグエにセットして“印刷”を押した。わけのわからない文章が印刷された。これを数回、繰り返したんだ。そしてついに、 「成功したぞ!」 って博士は解読した手紙をみんなに読んで聞かせてくれたんだ。 親愛なる南のペンギンたちへ、 この手紙はキミたちへの警告書である。これからおはなしすることは実際に起こったことだ。キミたち南のペンギン君には、ぼくらのようになってほしくないから…。 ぼくは北に住むペンギンことオオウミガラスのゲアファウル。カラスって名前はついているけどキミたちとおんなじペンギンの仲間だ。ぼくらオオウミガラスはヨーロッパからカナダにいたる大西洋の島々に住んでいた。大昔からそこで平和に暮らしていた。ところが三百年くらい前から西方からやってきた人間たちによって捕らえられていった。人間たちはぼくらを食べたり、ぼくらをかまゆでにして油をとったりしたんだ。 |