「それじゃあ、ボクはあの犬のことをずっと見はってるよ」

 おいらはガラパゴスペンギン博士のところへいったんだ。博士はフンボルトさんといっしょに何かの設計図とにらめっこをしているところだった。おいらはワケを話して、ペンギン語と犬語の通訳をしてくれる機械を作れないか?きいてみた。

「できないことはないが、犬の言葉のデータが足りないから簡単なやりとりしかできないよ」

って博士がいった。

「あ〜あ、もしもあたしのところに犬がきたらどうしようかな?」

ってフンボルトさんが心配してたんだ。だからおいらは、

「フンボルトさんなら心配しなくても大丈夫だよ。トラとライオンとドラゴンがいっぺんにおそいかかってきても、そのずうずうしさで何とかなるよ!」

ってついいっちゃったんだ。

「あんた!!それどういう意味よ!あたしにケンカうってんの!ひっぱたかれたいの?あたしってこう見えてかよわいのよ」

おいらは『かよわいなんてことないよ!』っていいたかったけど、これ以上フンボルトさんを怒らせたらホントに何されるかわからないから心の中にとどめておいたよ。

つぎへ、

ホーム