花を咲かせたペンギン


 このとき遠くにいておいらたちの話なんかぜんぜん知らないはずのフンボルトさんはくしゃみが止まらなかったそうだよ。おいらとおじさんって罪なペンギンだね!えへへへへ…。
 おじさんは再びソメイヨシノの枝を切り落としはじめたんだ。そして、切り口には桜が病気にかからないようにコールタールをぬっていた。おいらはおじさんが切り落とした枝をひろい集めたり、木に登っているおじさんに道具をわたしたりして手伝った。そうしてひと仕事終えて酒蔵に戻ったんだ。
「おじさんはなんだって桜の世話をするようになったの?」
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