早春にて・その1
なかなかの腕前だよ。きれいな旋律のバラードだ。『何も私の世界を変えられない』って感じ。“パイプの青年”は一曲吹き終えると、ため息なんかついちゃっているよ。
次の曲はノリのいいポップスだ。と、そこへおばさんがひとりやってきた。おばさんは“パイプの青年”の前に立ち止まってハーモニカの音色を味わっている。“パイプの青年”がその曲を吹き終えるとおばさんが、
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