早春にて・その1
「いまのビートルズの“シー・ラヴズ・ユー”でしょう?あたしはね、20年くらい前にビートルズのコンサートへいったことがあるんだよ。でも、若そうなのにどうしてビートルズなんか吹いているの?」 と、声をかけた。“パイプの青年”は、
「それは…それは吹きたいからさ!」
と、こたえた。
おばさんはそれっきりどこかへ行ってしまった。
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