初めてのお使い


「お母さん大丈夫だよ。ボクの658ccのエンジンは絶好調だし、直進バックだろうが、縦列駐車だろうが、もうひとりで何でもできるよ。だってボクは一人前の男だよ!」
 けれど、みどりのKちゃんはホントは少しお母さんとはなれるのが寂しかったのです。それに明日から見知らぬ運転手さんのところへいくなんて!ワクワクやらドキドキやらでその晩なかなか寝つけません。思わずKちゃんはお母さんに言いました。
「ねえ、お母さん…もっとそばによってもいい?」
「仕方のない子だねェ」
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