「な~に、ジンベイザメなら大丈夫!彼らはおとなしいサメでわれわれとおんなじようにプランクトンや小魚を食べているんだ。ペンギンをおそったり食べたりはしないから、安心しなさい!」
「えっ!おとなしいの?博士、それを最初にいってほしかった!」
「そういうことでペンギン君、ワシはキミを食べたりなんかしないよ」
ってジンベイザメのおじいさんが平べったい頭でつっついてきたんだ。
「ところでジンベイザメのおじいさん、ここでいったい何をしているの?」
っておいらはきいた。
「ワシかい?ワシはひとり旅のとちゅうなんだよ」
「ひとり旅?」
「ああ、ずっと世界中の海をめぐっているところなんだよ」
「ずっと、ひとりぼっちで?」
「時には、われわれジンベイザメの仲間と落ち合うこともあるけれど、たいがいはワシ、一匹だよ」
「さみしくないの?みんなといっしょじゃなくて…」
「そりゃあ、まあ、さみしいこともあるけれど、仲間といても楽しいことばかりじゃないからね。けんかをすることもあるし、わずらわしいときも…それに群れると、ろくなことにならないことが多いんだよ。そうだ!ペンギン君、キミにイースター島の話をしてあげようか?人間たちの話だけど…モアイ像で有名なイースター島だよ」
っていってジンベイザメのおじいさんはしゃべりはじめたんだ。
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