「イースター島っていうのは太平洋に浮かぶ絶海の孤島で、そこへ、はじめに耳短族っていう人間たちがやってきた。それから遅れて耳長族っていう人間たちがイースター島にやってきたんだ。やがて後からやってきた耳長族が耳短族を支配するようになった。耳長族の王や首長が亡くなると彼らを埋葬するためにモアイっていう巨大な石像を造って海岸に立てるようになった。そのモアイを山から切り出して海岸へ運ぶのに木を使ったんだ。だからたくさんの木を切り倒した。やがて島には木がほとんどなくなってしまった。雨が降ると島の肥沃な土地がどんどん海に流されていった。木が生えていたころは土が流されるのを木がくい止めていたんだけれど…。それで作物がとれなくなった。木がなくなったから、海へ出て魚をとる船も作れなくなったし、イースター島は絶海の孤島だから、島を出てゆくことすらできなくなってしまった。けれど、その間にも島の人口はどんどん増えていった。いよいよ、食糧が足らなくなってきたから、耳長族・耳短族が伴に戦争をはじめたり、人間同士共食いをはじめたりした。そうしてあるとき、突然、耳長族も耳短族もイースター島の住人たちは死に絶えてしまったんだ。

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