「そう、このソメイヨシノってヤツはすべて接ぎ木で増やしたものだからヤマザクラやシダレザクラの野性の桜と比べると弱いんだ。それからソメイヨシノはここの木だけじゃなくて世界中のソメイヨシノがまったくおんなじ遺伝子を持つクローンなんだよ!」

「クローン?クローンだなんてなんだか気持ちが悪いような気もするけれど…」

「いや!植物では昔から接ぎ木や挿し木をしてクローンを作ってきたんだ。アジサイなんかは株分けして増やす場合がある。なにもソメイヨシノに限ったことじゃないんだよ。それにソメイヨシノがクローン同士だからこそ、同じ場所・気候に生えているソメイヨシノは一斉にぱっと咲いてぱっと散るんだよ。そこがまたソメイヨシノのいいところなのだが…」

「ふ〜ん、もしもおいらたちペンギンにもクローンがいたら気味が悪いだろうな」

「そうだな!フンボルトさんがたくさんいたら世の中ひっくり返るかもしれないな!」

「ホントだね!もしも7羽くらいフンボルトさんがいたら、たいへんなことになるよ!マカロニ君なんかノイローゼになっちゃうかもね」

「フッフフフフフフ…そうかもね!」

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