「いかだをおさえるってどうすれば?」

「そんなことあなた自分で考えなさいよ!今から強い風を起こすからね!」

ってフンボルトさんはペルーの岸にすえつけたバカでかい扇風機を5台ともパワー全開でまわしたんだ。すごい嵐みたいな強い風が赤道の上を東から西へ吹きだした。すると扇風機のスイッチが大電流のせいで焼けて調節がきかなくなっちゃったんだって。5台もあるバカでかい扇風機がパワー全開のままとまらなくなっちゃったんだってさ!フンボルトさんはあわてて扇風機をとめようとしたんだけれど、うまくいかなかった。

 フンボルトさんが突風を起こしているとき、ちょうどロイヤルペンギンさんが最新鋭の飛行船Z−17号で赤道にむかって北上中だった。ロイヤルペンギンさんは、

「私は出来たばかりのZ−17号で初めて赤道をわたるところだったんだよ。そう、赤道を初めて横断するときのお祭りをしようかと思っていたときだった。とつぜん強い東風が吹いてきたんだよ。空は晴れているのにおかしな風だと思っているうちにどんどん東風が強くなってきてZ−17号はそれに流されだした。そしていよいよ風が強くなってガラパゴス博士が住んでるイザベラ島の上空にさしかかったときに偶然、岩かげにかくれてる博士を見かけたんだ。博士に助けを求めたんだけれど、博士は岩にへばりついてるだけだったよ。きっと博士もあの強い風の中じゃあ、どうすることもできなかったんだろうなあ。それに私が助けを求めたといっても、ほんの一瞬のことだったしね!そうしてZ−17号は流されつづけて、気が付いたらインドネシアに不時着していたよ。あんなにおそろしいことはもうお断りだね!」

って後日、語ったんだ。

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